異をとなえん |

なぜ狭軌は広軌よりコストが低いのか?

2011.10.11 Tue

22:16:17

昔の記事で、広軌より狭軌の方のコストが低い理由がわからないと述べた。
その理由がわかったと思うので、答えを書いておく。

まず前提として、日本では狭軌も標準軌(1435mmは世界では標準軌と呼ぶのが普通なので広軌の変わりに標準軌を使う)も、使っている台車の大きさや重さは同じである。
だから、狭軌でも標準軌でもトンネルの大きさは同じだし、線路にかかる重量も同じだから地盤の改良工事なども同じ費用がかかる。
それだったら、なぜ狭軌の方がコストが低いということで選択したのかという理由がわからないのが、疑問だった。
答えは狭軌の方の曲がるときの半径が短かいからである。
狭軌の場合の方が外を回る線路の長さが短かくなるので、曲線半径をより小さくできる。
下のリンク先によると、「標準軌のカーブの半径は300メートル。狭軌のそれは100メートルで可能」と書いてある。

なぜJRの線路は幅が狭いのか - 鉄道・路線 - 教えて!goo

引用開始

関川夏央著『汽車旅放浪記』(新潮社刊)によれば、標準軌のカーブの半径は300メートル。狭軌のそれは100メートルで可能という点が一番の要因のようですね。
黎明期(明治時代)ではトンネルを技術はまだ稚拙だったため山や谷を縫うようにしてレールを通さねばならなかったので(小さなカーブ)、そういう選択となったようです。
世界的にも同じような条件の国(ニュージーランドや南アフリカ)では狭軌が採用されてるケースが多いそうです。
引用終了

回答の中では標準軌も半径30mで曲がることが可能とあるが、たぶん速度を遅くしているのだろう。
速度を遅くすれば半径を小さくすることは可能でも、標準軌にするのは速度を早くして輸送力を拡大するのが目的なのだから本末転倒だ。
もちろん条件の組み合わせによって最適な方法はかなり変わってくる。
しかし狭軌でも速度を遅くすれば標準軌より小さい半径で曲がれるだろうから、とにかく敷設最優先で考えれば狭軌が有利だったことは間違いない。
結局、日本の山がちな国土では、できるだけ小回りがきく方がコストが低くなる理由だったわけだ。
最初に作られた山手線、品川赤羽間も武蔵野台地を通って線を引くのにさんざん苦労しているはずだ。
トンネルも高架の線を引くのも大変な時代だったのだから当然だろう。

後、最初の疑問では狭軌も標準軌も同じ台車だったらと考えたが、これは現在の日本が狭軌で輸送力を上げるために台車を大きくしたからで、最初に作ったころは狭軌の台車は小さく、当然費用も安かっただろう。

狭軌について

引用開始

強度狭軌とは本来は1067mm軌間でありながら20tという広軌並みの軸重を支えるものとして改軌論のなかで登場します。 現実にはその当時は改軌も、画期的な軌道強化も主として予算不足から実現しませんでした。 日本の国鉄の車両限界の拡大や許容軸重の増大はその後の100年を掛けてゆっくりゆっくり実現していったものです。

 しかし、同じサブロクの南アフリカ共和国は正真正銘の強度狭軌です。 本来広大で資源が豊富な南アフリカは標準軌で鉄道が敷設され、それを曲線通過に有利なサブロクに改軌したという経歴を持っています。
引用終了

南アフリカがわざわざ標準軌から狭軌に変更したのも、山がちな国土なので曲線通過に有利なためだということがわかる。

結果論ではあるが、通勤には狭軌で、都市間移動には標準軌の新幹線で対応している現状の日本は、成功している。
だとしたら、最初の狭軌の決定は正しかったのだと思う。
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