異をとなえん |

基軸通貨ドルの終わりの始まり

2011.08.19 Fri

19:30:16

しばらく書いていないと書き方を忘れてしまう。
いろいろなことを記事にしたいと思っていたのだけれど、すでに忘却の彼方だ。
なんとか書きはじめても、全然進まない。
それでも、なんとか文章を綴ってみたい。

記事にしようとしているのは、基軸通貨の話だ。
ドルの基軸通貨の座が揺らいでいる話を書きたいと思っている。
なぜ、基軸通貨の座が揺らいでいるのか。
ドル安が現在進行中なので、各国が外貨準備としてドルを持つことを嫌がりつつあるのが、その一つの現れである。
けれども、それはQE2によるアメリカの間違った政策に由来するものであって本質ではない。
本質的なアメリカの経済の揺らぎは、アメリカが世界経済に対して資本を供給できなくなりつつあることだ。

リーマンショック前、アメリカ経済の資金のフローは、膨大な経常収支の赤字を中国の為替介入による資金と日本の円キャリー取引でカバーしていた。
他の新興国の資金もあるだろうけれど、大体は中国日本の資金だろう。
しかし、それだけではアメリカは各国に投資することができない。
経常収支の赤字を埋めるだけの金額では、アメリカは再投資できないからだ。
その穴を埋めていたのが、サブプライムローンなどのアメリカ内部の成長を元にした証券だった。
ヨーロッパの金融機関はこぞって、それら証券を購入し、アメリカはその資金を元に世界各国に直接投資していった。
もちろん、どの資金がどこに流れているかなどはイメージなだけだ。

リーマンショックで全てが変わってしまった。
アメリカの不動産価格は値下がりが続いていて、不動産担保証券自体が発行されてない。
当然資金も流れない。
アメリカ経済も景気後退により、金利が大幅に低下し、日本と同じぐらいになりつつある。
だから、日本から円キャリー取引によって資金が入ってくることもない。
アメリカに流れこむ資金は中国の為替介入による資金が残っているだけだ。
それだけでは、経常収支の赤字を埋めることもできない。
では、どういう資金がアメリカの赤字を埋めているのか。
たぶん、アメリカが世界に持っている資産を売っているのだ。
大幅なドル安により、世界各国に持っている資産の価値はドルベースで大幅に向上した。
そこで、ドルベースの借入金を返済するために資産を売っている。

この現象は日本のバブル崩壊の時も起こっていた。
日本企業は借金を返済するために、手当たり次第に資産を売却していたが、世界に投資していた資産も例外ではなかった。
三菱地所のロックフェラーセンターの売却などが、いい例だろう。
違いは日本の場合経常収支が黒字なために、円高になってしまったことだ。
ただ、本質は変わらない。
バブルの崩壊による外国投資からの撤退だ。
アメリカの場合問題なのは、外国に対して資金を供給できなくなることは、基軸通貨国としての責任を果たせなくなることを意味するからだ。

以上のような仮説をたてて、その後をいろいろと考えている。
ただ少なくとも、この仮説を実証するために、ある程度の数字の裏付けが必要なのだが、どうもなかなか進んでいない。
資本を供給できないといってもQE2などによって、FRBが資金を供給すればいいという意見もありそうだ。
なぜそれが問題なのかについても反論を書きたいと考えている。

以上、近況報告でした。
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中国ではアフリカを非州と表記する

2011.08.08 Mon

16:07:57

中国でのアフリカの表記が非州というのを、最近ネットだか本だかで知って、あまりの無神経さに愕然とした。
たぶん、悪意からやっているのではない。
単にアフリカの漢字表記の意味など気にしていないだけだ。
その発音で一番使われている文字をそのままあてはめる。
それが中国にとって普通のことなのだ。
でも、漢字の意味を気にする人にとっては、美称でなければ、それだけで侮辱されている感がある。

日本が「倭」という国名を嫌って日本に名称変更したのも、それが理由だろう。
矮小とかいう言葉の語感から、中国人が倭とつけたとは思わない。
単に「ワ」という名前の国だから、それと発音があてはまる「倭」という文字を当てただけだろう。
なぜ、日本が「ワ」の国かというと、中国人が日本人に国名を聞いたとき、どんな国かと聞かれたと思ってわれわれの国という意味で我(ワ)の国と答えたかららしい。
そういう説がある。
漢字の意味などよくわからない内は、倭といっても別に気にならなかった。
でも、漢字の意味が理解できてくると、倭というのは気になってくる。
矮小という言葉からつけたのではないかと邪推するようになる。
呼ばれる国からすると貴字でなければ、それだけで軽んじられている気がするのだ。
実際、東方の未開な国の国名など、中国人にはほとんど興味はなかっただろう。
そして、無関心なのは侮辱されるより、ある意味ずっと屈辱的ではある。
そこで、昔の日本人は格好いい名前として、日本という国名を考え出し、中国になんとか認めてもらった。
日本は日の本、つまり太陽の出づる所の国と、ある意味物凄く傲慢な名前である。

同じようなことが中国にも言える。
中国では最近まで王朝名はあっても、地域名がなかった。
だから、中国史という概念を表す言葉がなかったわけである。
もちろん、中国史というのは夏などとあるかどうかはっきしない国の歴史から始まって、現在の中華人民共和国の歴史まで全体を含めた歴史である。
中華人民共和国史だけを指すわけではない。
そこで、日本は江戸時代、中国という概念を現わす言葉として、支那という言葉を使いはじめた。
支那というのは漢訳仏典に使われている言葉で、秦ということばがなまってシーナと外国が中国を呼び、それに中国人が漢字をあてたのである。
シーナという音をあらわす漢字として、支那とつけたけど特に意味は考えなかった。
地域名などほとんど使っていないのだから、気にすることもない。

日本は地域を使う名前として支那を使い始めていったけれど、中国人はそれを気にしていなかった。
日本が中国をどう呼んでいようとどうでもよかったに違いない。
けれども、清が滅亡するころになると、中国は日本に留学生を大量に送っていて、日本が中国をどう呼ぶのかが気になってくる。
日本に対して劣等感を持つころには、支那という言葉が我慢ならなくなってくるわけだ。
支というのが、侮辱しているような文字に思えてくる。

清が滅びて、中華民国という国が生まれると、地域名として中国という名称を使うように日本に要求する。
中華というのは世界の中心で栄えているという意味であって、他者から呼ばせるには尊大すぎる。
自分の姓を「世界一位」とかにして、人から呼ばせるようなものだ。
だから、最初日本は嫌がった。
けれども、同じ文字を使う国の民として意味の意識が鈍ってくると、受け入れざるを得なくなる。
使わないのは明らかな敵意の現れと受け取られるからだ。
中国という略称にすれば、中華という語感はほとんどなくなるのも大きかったろう。
また、昔日本が国名変更を中国に認めさせたという意識もあったはずだ。

中国語でアメリカは美国、イギリスは英国、フランスは法国、ドイツは徳国だ。
見た目には、いい文字が使ってある。
それに比べてアフリカが非州というのは、本当に無神経である。
漢字を知っている日本人からすると、もう少しまっとうな字がなかったのかと思う。
たぶん、多くの日本人は中国がアフリカを馬鹿にしていると思うだろう。
そう考えると、表意文字は厄介なものだ。

表意と表音、両方の文字を使える日本は便利だ。
少なくともアフリカに漢字の名称を与えて、そこからアフリカに対してどんな気持ちを抱いているのかを邪推される心配はない。
まったく、アフリカ人が中国語の勉強をして、自分たちの地域が非州などど呼ばれているのを知ったとき、どんな気持ちになるのかを考えると、他人事ながら中国を気の毒に思う。

中国がアフリカを非州と呼んでいる衝撃で文章を書いてみたが、なんかあまりまとまりがつかなかった。
漢字の意味を考え始めると、中国語では表記の問題はいろいろ大変だという話なのかもしれない。
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