異をとなえん |

竜王戦雑感

2010.11.27 Sat

03:04:59

月曜から金曜までブログを書くという目標をたててきたのだが、いい加減だれてきた。
やる気もうせた感じがする。
このままだと、またずるずるとさぼってしまうのが目に見えているので、とにかく言葉だけを撒き散らす。

竜王戦は4局目を羽生名人が勝利して、2勝2敗の五分に戻した。
羽生名人と渡辺竜王の将棋は面白い。
ギリギリまで勝敗不明の争いが続く。
4局とも、主導権を持って盤面を動かしているのは羽生名人の方であり、駒損の細そうな攻めをギリギリに続けていく。
もちろん、攻めている方が駒損になるのは、将棋の特性上当然であるが、それにしても今にも切れそうな攻めなのである。
羽生ファンの私としては、実に心臓に悪い展開が続いて怖い。
ただ、羽生名人が勝った3局目と4局目は、相手に受けを強制するような手ではなく、攻めているのか守っているのかよくわからない手を打って、相手に悪手を打たせていた。

今局も渡辺竜王の6九銀と勝ちにいった手が敗着で、受けに回る必要があったらしい。
攻めても、受けても、勝てそうな局面ということで、羽生名人の局面の複雑化戦術が成功したことになる。
ちょうど、その手を打つ前に渡辺竜王勝勢と断言されていたが、まだまだ難しかったわけだ。

本局を見ていると、コンピューター将棋が強くなったと言っても、実際にはまだまだ全然及ばないんだろうと思わせる読みの深い将棋が続く。
人間は深く読める所を結論が出る所まで読んでいる。
コンピューターはそれに対して、10手ぐらいまでしか読まず、それを評価関数で判断しているだけだ。
大差の将棋はそれでもいいのだけれど、ギリギリの一手争いが続いている場合では詰むか詰まないか、はっきり判断しないと評価できない。
コンピューターはハードやソフトの進歩が進み、さらに深く読めるようになることで、人間に勝つことができるようになるのか、それとも人間みたいに、一手一手や、詰めろ逃がれの詰めろのような、終盤の特殊な概念を理解することで人間に勝つことができるようになるのか。
興味が膨らむ所である。

コンピューターが人間に勝つといっても、今まではほとんど力まかせの読みを深くすることで人間に勝つようになってきた。
人間が持つ抽象的な概念を操る必要がなかった。
コンピューターがより人間の思考に近づくためにも、抽象的な概念を操る能力をマスターしたい。
それなしで全ての思考ゲームの勝者になってしまうと、コンピューター科学としてはつまらなすぎる。
しかし、竜王戦を見る限り、単純な力任せの読みだけでは、まだまだ人間の最高峰にはコンピューターは勝てない。
さらなるコンピューターの飛躍が楽しみである。

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