異をとなえん |

G20金融サミット以後の北朝鮮情勢

2010.11.22 Mon

18:57:49

北朝鮮情勢について、少し書いておきたい。
前の記事では戦争確率40%と書いていたが、現時点ではそれほど危険性がないように思える。
なぜ予想は間違ったのだろうか。

** チンピラヤクザモデルを肯定した場合

北朝鮮がチンピラヤクザであるというモデルを変えないで、現在の状況を考えてみる。
まず、最初の予測と決定的に違ったのは、G20金融サミットにおいて北朝鮮が戦争を煽動するような態度に出なかったことだ。
ここに来て、ウラン濃縮施設を建設した情報をアメリカ伝達するなど、再度恐喝的態度には出ている。
けれども、G20サミット前には、核実験の準備中などと言う情報が韓国のマスコミに流れただけで、G20サミットを止めるような行動はしなかった。

一つの理由は中国が止めたというものだ。
中国は世界に対するリーダーシップを持っていることを誇示する場として、G20サミットを支持している。
実際G20サミットの中で中国は一つの注目の的だった。
アメリカの金融緩和政策に対する各国の不満が出て、中国の元安政策が責められることもなかったのは、国際世論上は中国がアメリカの指導力争いに勝った感じさえもある。
そのようなステージを北朝鮮によって止められることは、中国にとっては我慢できないことに違いない。
中国は北朝鮮を何としてでも止めたい強い意思があった。

北朝鮮はそれを利用した。
北朝鮮は中国に対して、金正恩の後継者の立場を認めるように迫り、ほぼ成功したと思われる。
金正恩のデビューの場所としての代表者会議において、中国の外交使節が平壌に来て、親しく金正恩と会話したことは承認したと認めていいだろう。

金正日の後継者としての承認はずっと出ししぶっていた。
金正日が実質的に後継者としての立場を固めてからも、ずっと表に出てこなかったのは、中国が反対していたからだを考えるのが一番わかりやすい。
社会主義の世襲は問題だ、というたぶんとう小兵の指示によって、金正日は後継者の地位を確立できなかたのだ。
その時のことを考えると、金正恩の後継者としての立場が取り沙汰されてから、ほんの数年での承認は中国が大幅に北朝鮮に対して軟化したことを示している。
金正日の短期間での中国への2回の訪問と考え合わせると、中国と北朝鮮の間で色々な交渉があり、妥協にいたったのだろう。
北朝鮮からすると、監視艇を撃沈したことに対する利得は十分あったと考えていい。

** チンピラヤクザモデルを否定した場合

北朝鮮がチンピラヤクザモデルから離脱したという考えはどうだろうか。
金正日から金正恩に指導者が交替したと考えれば、大きく行動が変化してもおかしくはない。
けれども、金正日がまだ指導者の地位を交替していないことと、金正恩が後継に決定してから少ししかたっておらず、まだ若いことを考えると、実質的な金正恩の影響力が大きいとは思えない。

歴史を振り返えると、アレキサンダー大王のように若くして権力を掌握するケースもある。
しかし、これらのケースは、名目上の指導者の位置が交替し、危機の中で指導者に権力が集中し、それに対応できたことで指導権が確立している。
金正恩の場合はそうなってはいない。
むしろ、デノミの時の旗振り役が金正恩らしいことを考えると、それに失敗した金正恩はかなりみそをつけている。

それらを合わせると、金正日の指導力が依然として保たれていると考えるのが普通だろう。
金正日の指導力が健在ならば、特に行動パターンが変化する理由はない。

** 結論

北朝鮮がチンピラヤクザだというモデルは未だに有効だと思われる。
すると、北朝鮮が核開発するとかいう脅しで、韓国・アメリカ・日本に対して迫ってくることは変わらないだろう。
けれども、現在の韓米日の政権がそれに屈っすることは考えにくい。
韓国は幾分援助をするみたいだが、本当に雀の涙みたいな道義的な援助で前のノムヒョン政権の時とは大違いになっている。
これでは、金が入らない北朝鮮は苛立つ。
北朝鮮が行動をエスカレーションする危険性は高いが、戦争になることを嫌う中国は止めに入らざるを得ない。
中国自体が世界に対して強硬に出るか、穏健に出るかで分裂している状態では、北朝鮮に対して決定的な行動は取れない。
わずかの金で事態を先延ばしできるならば、中国は金を出すのではないかと思う。
中国がなんらかの形で北朝鮮に金をやれば、今のままの情勢が続いていきそうである。

中国にとっては北朝鮮に鼻面を引きずりまわされている状態で、不満も多い。
けれども、北朝鮮を味方にするか、敵にするか、決すことができない状態ではいたしかたない。
このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る