異をとなえん |

記憶に残りし歌

2010.11.30 Tue

03:54:37

急に歌のフレーズが頭によみがえってくることがある。
その歌をもう一度聞きたいと思うのだが、歌の題名やら、どこで聞いたかを思い出せない。
昔だったらもうお手上げだろうけど、今だとその歌詞の一節を覚えていれば、ネットで検索して探しだすことができる。
でも、外国語の歌だと歌詞がうろ覚えではっきりしない。

おととい、いい印象があった英語の歌を急に聞きたいと思ったのだが、題名とかもどこで聞いたかも全部忘れていた。
死者に対する祈りの歌のような歌だというのは覚えているのだが、それだけでは検索できなかった。
あきらめかけていた所、はっと思い出したので、メモとして書きとめておく。

歌の題名は"welcome to the black parade"。

どこで聞いたかは下記だった。
【MAD】Welcome to the MikuMikuDance Parade【第5回MMD杯支援】
"carry on"「私達は続いていく」という部分が印象的だ。

もう一つ、その歌を検索しようと考えた時、最初に頭に思い浮んだ英語の歌が"I'm alive!"だった。
英語つながりで頭に思い浮んだのかもしれない。
探す時、ちょっと手間取ったので、これもリンクしておく。

【第5回MMD杯本選】 I'm ALIVE
ニコニコ動画のコメントで「だって私は生きているんだから」という訳が元気をくれる。
そう考えると、ニコニコ動画のコメントは役に立っている。

でも、両方の歌とも、メロディは知っているような気がするのだけど、映像は全然覚えていない。
記憶は不思議だ。

ついでに忘れないように、もう一つ歌をメモしておく。
本屋で流れていて、歌の題名もわからないのだが、心に残った。
最初の「きらきらっと日差しをあびて」で検索して見つけた。

"Sunshine Girl"
Sunshine Girl - Moumoon
最初の部分が頭に残る、キャッチーな歌詞だと思う。

しかし、最初頭に思い浮んだ時はどれももっと古い歌のような気がしたのだが、半年ぐらい前でしかない。
記憶力がいかに衰えているかだ。
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竜王戦雑感

2010.11.27 Sat

03:04:59

月曜から金曜までブログを書くという目標をたててきたのだが、いい加減だれてきた。
やる気もうせた感じがする。
このままだと、またずるずるとさぼってしまうのが目に見えているので、とにかく言葉だけを撒き散らす。

竜王戦は4局目を羽生名人が勝利して、2勝2敗の五分に戻した。
羽生名人と渡辺竜王の将棋は面白い。
ギリギリまで勝敗不明の争いが続く。
4局とも、主導権を持って盤面を動かしているのは羽生名人の方であり、駒損の細そうな攻めをギリギリに続けていく。
もちろん、攻めている方が駒損になるのは、将棋の特性上当然であるが、それにしても今にも切れそうな攻めなのである。
羽生ファンの私としては、実に心臓に悪い展開が続いて怖い。
ただ、羽生名人が勝った3局目と4局目は、相手に受けを強制するような手ではなく、攻めているのか守っているのかよくわからない手を打って、相手に悪手を打たせていた。

今局も渡辺竜王の6九銀と勝ちにいった手が敗着で、受けに回る必要があったらしい。
攻めても、受けても、勝てそうな局面ということで、羽生名人の局面の複雑化戦術が成功したことになる。
ちょうど、その手を打つ前に渡辺竜王勝勢と断言されていたが、まだまだ難しかったわけだ。

本局を見ていると、コンピューター将棋が強くなったと言っても、実際にはまだまだ全然及ばないんだろうと思わせる読みの深い将棋が続く。
人間は深く読める所を結論が出る所まで読んでいる。
コンピューターはそれに対して、10手ぐらいまでしか読まず、それを評価関数で判断しているだけだ。
大差の将棋はそれでもいいのだけれど、ギリギリの一手争いが続いている場合では詰むか詰まないか、はっきり判断しないと評価できない。
コンピューターはハードやソフトの進歩が進み、さらに深く読めるようになることで、人間に勝つことができるようになるのか、それとも人間みたいに、一手一手や、詰めろ逃がれの詰めろのような、終盤の特殊な概念を理解することで人間に勝つことができるようになるのか。
興味が膨らむ所である。

コンピューターが人間に勝つといっても、今まではほとんど力まかせの読みを深くすることで人間に勝つようになってきた。
人間が持つ抽象的な概念を操る必要がなかった。
コンピューターがより人間の思考に近づくためにも、抽象的な概念を操る能力をマスターしたい。
それなしで全ての思考ゲームの勝者になってしまうと、コンピューター科学としてはつまらなすぎる。
しかし、竜王戦を見る限り、単純な力任せの読みだけでは、まだまだ人間の最高峰にはコンピューターは勝てない。
さらなるコンピューターの飛躍が楽しみである。

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朝鮮半島情勢雑感

2010.11.26 Fri

04:30:27

朝鮮半島の話はどうも食いつきがいいようである。
アクセス数を稼ぐために、意見としてまとまっているわけではないが、とりとめのない感想を書いてみる。
今まで書いた内容と重複する部分があるかもしれないが、それは勘弁して欲しい。

** 今後の予測

今後の予測をまた立ててみる。

まず北朝鮮のチンピラヤクザモデルは変わっていない。
金が出なければ、挑発行為を続けるだけだ。

だから、その他の国の動向が問題となる。
六者協議の国の中で、この問題でのキーとなるのは、韓国と中国である。

六者協議の他のメンバー、日本とロシアは論外で、どちらも何もする気はない。
戦争が起ころうと起こるまいと、口先だけの介入しかしないだろう。
思考実験においては無視できる。

アメリカは重要だが、基本的に韓国の意思を尊重すると思われる。
北朝鮮の核開発は重大問題だろうけれど、今までの北朝鮮の行動はうそ臭すぎて信用が置けない。
今回のウランの濃縮施設も北朝鮮側が公開した時点で、はったりっぽい。
そうすると、戦争を単独で実行するのは気が重い。
北朝鮮に資金を提供するのが、アメリカ国内での保守派からの反発を考えると論外とすれば、アメリカは静観するのが一番ありえそうだ。
北朝鮮が挑発行動を繰り返したとしても、被害は韓国で発生するのだから、一義的な責任は韓国になる。
アメリカは韓国が戦争を決意すればサポートするし、韓国に戦う気がなければ静観しているだろう。

というわけで、今回の問題でまず決断を迫られるのは韓国である。
韓国は相変わらず苦しい。
地政学的に貧乏くじを引く運命にあるようだ。
戦争をするのも地獄だが、だからと言ってこのままの状態を続けると、北朝鮮の挑発行為によって民間人の被害が少しずつ増えていきそうだ。
国民の不満は高まりそうで、結果として戦争も覚悟するしかない。

** 韓国の決断はありえるのか

韓国が戦うと決意しても、簡単にはできない。
まず、韓国は大統領自体が戦時の指揮権を持っていないから、アメリカと協議をして、戦争開始で合意しなければならない。
アメリカが基本賛成してくれるとしても、戦争準備には数ヶ月かかるだろう。
北朝鮮シンパが大量に韓国にいる以上、情報はだだ漏れで北朝鮮にはすぐわかる。
そして、実際に戦闘準備をするには物資の蓄積が必要で、それは容易なことではない。
たぶん、世界に漏れ、間違いなく、ソウルへの攻撃の懸念、その他で株式は暴落、不況に真っ逆さまであろう。
ソウルに対する被害の事を考慮すると、市民の避難も大量に行なわなくてはいけない。
それ自体が経済に対して悪影響を与える。
戦う前から、そんなだから、大統領としても非常に辛い局面になる。
さらに、攻撃準備をしていることがわかっている以上、戦闘開始からソウルは大量な砲撃が襲う。
短時間で北朝鮮の砲兵戦力を殲滅できるとしても、ある程度の覚悟は必要となる。

準備万全の戦争開始がダメならば、現在手持ちの兵力による奇襲はどうだろうか。
実際に戦争をする人間としては、現有兵力による戦闘がどうなるか、長い検討を要するだろう。
素人としては、韓国は北朝鮮を圧倒できると仮定して、考えよう。
問題は中国の動向である。
戦いを仕掛けた以上、朝鮮統一のために中国との国境まで軍隊を派遣しなければいけない。
けれども、この場合中国が参戦してきたら、朝鮮戦争の再来になる可能性もある。
中国国境まで行ったアメリカ軍が中国の攻撃によって壊滅状態になったような状態だ。
アメリカと韓国が事前に戦争準備をきちんとして戦闘開始した場合は、中国軍にも勝てると思うのだが、奇襲だと苦しいような気がする。

ジレンマだが、アメリカとの合意が必要なら、戦争準備をきちんとして、戦闘開始するしかないだろう。
アメリカ軍は万全の準備をして戦いを開始する軍隊だ。
韓国の経済的な損害を気にするとは思えない。

戦争の費用もアメリカ軍の分は基本韓国が持つしかないように思われる。
辛い所だ。

** 中国の行動

そして、問題は中国となる。
韓国が戦争を覚悟して、中国に決断を迫る。
その時、中国がどういう行動を取るかだ。

今現在の状態だと、中国はのらりくらりを続けるままだ。
韓国にも、北朝鮮にも、いい格好をして、決断をしない。
北朝鮮の挑発行動による被害が韓国に局限しているだけなら、たいして問題ではない。
アメリカ軍が黄海に入ってくるのは嫌だろうけれど、実害はない。
問題なのは、実際に韓国が北朝鮮に侵攻してくることだ。
唯一の同盟国を失うこと、朝鮮戦争で血を持って贖った土地を資本主義者に渡すこと、北朝鮮との国境沿いが潜在的敵国になることなど、中国内の軍を中心とした強硬派にとっては大問題だろう。
世界一になると意識している強硬派には引けないはずだ。

しかし、今現在で戦争になると中国の勝ち目はかなり薄い。
アメリカのイラクを片付けた手並みを見る限り、普通の国では絶対に勝てない。
だから、下っ端はともかく、政府の責任者は戦争を避けたいはずだ。
結局元に戻って、決断しないパターンに入るわけだ。

そこで、韓国の決意が問題となる。
韓国が戦争決意を固めて、準備を進めれば、中国はいやでも決断を迫られる。
他の国からしてみれば、北朝鮮は中国の子分なのだから、中国が責任を持つべきなのだ。

対応方法はやはり一つしかない。
中国が、北朝鮮の替わりに韓国に金を支払い、韓国の替わりに北朝鮮に金を支払うことだ。
具体的には、六者協議をなんとか開く。
その場合、当然北朝鮮に出席料を支払う。
次に北朝鮮にうそでも言いからと謝罪してもらう。
北朝鮮は抵抗するだろうけれど、名誉の代償としてまた金を渡すわけだ。
普通の国は名誉がかかると認めないけれど、北朝鮮は金さえ渡せばどうにでもなる。
そして、韓国への賠償金も中国が当然立て替えることになる。

結論は前と一緒で、代わり映えのない記事かもしれない。
最初は、今回の事件のいろいろな評論に対して突っ込みを入れる記事にしようと思っていたのだが、今の自分の気持ちをまとめるだけでいっぱいになってしまった。
自分としては整合性の取れた論理だと思うのだが、他の人の意見を見るかぎりでは、あまり同じ意見はない。
なにか根本的な勘違いをしているのかもしれないが、教えていただけるとうれしいと思う。

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言語に優劣はある

2010.11.25 Thu

03:03:19

言語に優劣はないという意見を見かけることがある。
しかし、私には言語に優劣がないという理屈はおかしく感じられる。

コンピューター言語では、アセンブラで書くのと、Rubyで書くのとでは生産性に多大の違いが出る。
自然言語においても、情報伝達の効率や処理に、言語の違いによって変化が出るのは当然のはずである。
たとえば、自然言語でも、その言葉の全てを0と1のビットに変換して、伝達していたら人間はコミュニケーションできないだろう。
それ以前に、0と1のビット列など元に戻すこと自体が一苦労である。

極端な例を出したが、自然言語にだってコンピューター言語と同じような情報伝達と処理効率の差はあるはずだ。
たとえば、言語の語彙には言語ごとの特徴がある。

アラスカの原住民の言葉では、雪に関する言葉がたくさんあるというなどは有名な話だ。
と書いて、ネットで検索してみたら、どうもこれは与太話らしい。
参照:なぜ本屋でトイレに行きたくなるか: エスキモーの表現する雪
そこで例を変える。

アラスカの原住民の言葉では、アザラシに関する言葉が豊富にあるらしい。
それらは、使うことが頻繁にあるから、成立しているわけで、そうでない言語で同じ内容を話せば冗長になるのは当然だ。
効率は当然環境依存になる。
アザラシに関する言葉の処理効率が良くても、その言語が優れているとは言えないだろうが、アザラシに関係する情報を処理する場合などと条件をつければ、言語の優劣は判断できるはずだ。

同じようなことはコンピューター言語にも言える。
FORTLANは科学技術計算で膨大なライブラリがあり、計算の最適化の技法も進歩している。
だから、言語の基本的な使い勝手とは関係なく、科学技術計算ではFORTLANを使うことが多い。
その場合には科学技術計算において、FORTLANは言語として優れているという話になる。

自然言語も情報処理のためのツールとして比較可能であるはずだ。
けれども、自然言語では、その差異はあまり大きくはない。
自然言語はできてから物凄い時間がかかっている。
人間に言語が発生してから、ざっと1万年は経っているのではないか。
コンピューター言語が人工的に作られて、長くても50年やそこらとは比べものにならない。
そして、自然言語は自然に発生してから、人間の間で使われることによって、自然に進化してきた。
緊急情報の伝達は短かくわかりやすいようになっただろう。
いや、言語の発生は緊急情報の伝達こそ要だったはずだ。
獣が仲間に襲いかかろうとしている時、その危険を知らせるためにまず言葉が発生した。
それは短い叫び声だ。
その後、段々と情報を付加できるように言語は発展していったことだろう。

自然言語は、その自然の錬磨によって、基礎語彙と呼ばれる200語程度の情報の伝達においては、ほとんど効率に差はない。
文法の難易度とか、文法の例外の多さみたいな問題も、言語の処理効率に関係してきそうだが、一方で得をすると、一方で損をするような関係が成り立ちそうで、全体で考えると、やはり効率に差はないと思う。
私はそう考えている。
だから、自然言語には基礎的な部分において優劣はない、というのは正しい。

しかし、効率に差がないのは基礎の部分だけで、更に付加されてきた部分には適用できない。
付加されてきた部分とはいろいろあるだろうが、もっとも重要なのは、数と文字だ。
これらは特別な環境とも言えるが、現代では対応すべき必須の環境だ。
数を使わなければ、文字を使わなければ、それ以外の部分では他の言語と効率は同じだと言っても、残念ながらもはや現代では役に立たない。
現代の言語においては、数や文字を効率良く使いこなせないのなら、劣っていると断言できる。

数については、石原慎太郎のフランス語発言で有名になったように、フランス語は99を表わすのに、20が4つに10足してさらに9を足す、とか表現する。
不合理極まりないと思うのだが、このような効率の悪さが残るのも、数という概念が言語に取り込まれたのが、遅かったからだろう。
あるいは、数の言葉が生まれた頃が、文字が生れてくるのと同じ頃で、文字によって古い言葉を保持し続けたのかもしれない。
フランスは先進国として発展しているのだから、致命的な問題ではない。
けれども、数の処理効率が少し低下しているのは明らかだろうに、これによって得をする部分もないように思える。

もう一つ文字の効率がある。
日本語は漢字、カタカナ、ひらがなと三つの文字がある。
この三つの文字を併用することによって、文章を読む時の効率は他の言語に比べて優れていると感じる。
他の言語と言っても、私は英語しか読んだことがない。
後はまだ漢文だけだ。

私は日本語ネイティブで後天的に英語を学習した人だが、英語と日本語の文章の読み易さを比較すると日本語の方がずっと読み易い。
英語もかなり慣れてきたつもりだが、それでも絶対に同じ領域になれるとは思えない。
日本語と英語の間に読み易さの差があるのか、それとも単にネイティブの言語の方が読み易いだけなのか、私はずっと疑問に思っている。
日本語以外の言語ネイティブで後天的に日本語を学習した人が、両方の言語の文章の読み易さを比較したら、どのような結論を出すだろうか。

中国語と日本語を比べてみると、中国語の方が日本語よりずっと圧縮されている。
通信する情報量が少なくても済むという利点はあるが、現在は通信量よりも、人間の処理効率の方がずっと重要だ。
その点遊びのある日本語の方が、効率的に思える。

日本語は読む方の効率は優れているとしても、そのための副作用はないだろうか。
書く時の効率は表音文字よりも明らかに劣っている。
コンピューター時代の前は、タイプライターが普通の人に使えないという点で、日本語はむしろ劣っていると見られた。
しかし、かな漢字変換によって書く方の効率は大幅にアップし、問題点はなくなった。

もう一つ副作用として、会話の効率の悪化がある。
日本語は同音異義語の大量発生によって、会話での効率は悪くなっているだろう。
ただ、文章による情報伝達の重要性に比べると、音声のそれは落ちると見られる。

日本語の文章の読み易さが他の言語より優れているかどうかは、難しい問題だ。
結論が簡単に出るとは思えない。
あるいは、条件を一定にすることが難しいことを考えると、永久に出ないかもしれない。
また、文章による読み易さは優ったとしても、その他の副作用で帳消しにする考えもあるかもしれない。
これらの点を比較考慮して判断するのは難しいだろうけれども、不可能とは思えない。

まあ、日本語が優れた言語かどうかは、今回の記事の主題ではない。
自然言語の優劣というのは、数や文字のレベルまで含めると十分ありえることを主張したいのだ。

余談、本題と全然関係ないのだが、国語という科目名を日本語に変更すべきという意見がある。
どちらでも構わないような気はするが、漢文は日本語に入るのだろうか。
私の感覚では漢文は古代文章中国語であって、日本語ではない。
国語が日本国民が知っていた言葉を意味するのなら、古代文章中国語と日本語、両方合せて国語で正しいと思う。

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続:G20金融サミット以後の北朝鮮情勢

2010.11.23 Tue

20:41:20

北朝鮮が韓国に砲撃を仕掛けた、というニュースが入った。
昨日、戦争が遠のいた、と予想を変更した私に対する嫌がらせか、と思う。
状況が変わったので、もう一度考えをまとめてみた。

まず、予想自体は変わっていない。
北朝鮮は挑発行為を続けるが、韓米日は金を出さない。
戦争の危険性が高まってゆく。
戦争をなんとしても避けたい中国が北朝鮮に援助をして、北朝鮮がほこを収め、あいまいのままに終わる。
これが基本パターンだ。

そこで今回の戦闘の原因は次のようなものだ。
たぶん、G20金融サミットまで挑発を控えろとの中国から北朝鮮への指示があった。
これは逆に言うと、サミットが終わりさえすれば、北朝鮮は好きにしろということだ
韓国はサミットで気が張り詰めていたのが、ちょうど緩んだ所を狙われたように思える。
その結果売られた喧嘩は買うというか、ガンが飛ばされた(戦闘訓練をした)から殴り返した(砲撃をした)、そんな所だろう。

中国が北朝鮮の挑発行動を抑えられるのなら、なぜ今回は止められないのだろうか。
それは北朝鮮が韓国との問題を二国間だけの問題としているからだ。
期限を切っての要請には、一応同盟国なので受け入れても、無期限の要求は認める理由がない。

それでは、再度戦争になるかどうかの予想をしてみる。
戦争になるには、韓国が北朝鮮の挑発行為に怒り狂って仕掛けるしかない。
北朝鮮側には、戦争を実施する軍事力や補給物資等はないからだ。
けれども、李明博政権は、今回の砲撃に対しても最初に自制を促すように、本質的には戦争を避けたいのだろう。
韓国国民の死者が出てもしょうがないと見切っているようだ。

北朝鮮側がやり得とみて、戦闘行為をエスカレートすれば戦争になる危険性は高まる。
韓国国民も一方的に殺されていて、政府の対応を受け入れるわけにはいかない。
しかし、衝動的に行動せず、損得で判断しようとすれば、戦争にはいきにくくなる。
監視艇撃沈事件のようにあいまいなまま終わる、そんなパターンが続きそうだ。

このパターンから抜け出すには、韓国が本格的な戦闘準備をして待つしかない。
けれども、それは中国がなんとしても戦争を止めたくて、仲介に乗り出してくるだろう。
韓国に対して北朝鮮に替わって賠償を支払い、北朝鮮に対して韓国に替わってみかじめ料を支払う。
そうすれば平和は成り立つ。

前の記事で、私が戦争確率を高く見積ったのは、韓国と中国の国としての毅然さを高く考えていたからだ。
しかし、李明博に祖国統一への熱い思いとか、北朝鮮地域の民に対する同情などはない。
胡錦濤にも、北朝鮮という道義的に問題な政権を支持する廉恥心はない。
あるいは、北朝鮮に対して決定的な行動に出るほどの内部の統一がない。
同盟国だから支持するという理屈を覆しない。
それが最終的に中国が金を出すとしているのは、決定的な行動を避けるために一番簡単なのが金を出すことだからだ。
だったら妥協は成立する。
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G20金融サミット以後の北朝鮮情勢

2010.11.22 Mon

18:57:49

北朝鮮情勢について、少し書いておきたい。
前の記事では戦争確率40%と書いていたが、現時点ではそれほど危険性がないように思える。
なぜ予想は間違ったのだろうか。

** チンピラヤクザモデルを肯定した場合

北朝鮮がチンピラヤクザであるというモデルを変えないで、現在の状況を考えてみる。
まず、最初の予測と決定的に違ったのは、G20金融サミットにおいて北朝鮮が戦争を煽動するような態度に出なかったことだ。
ここに来て、ウラン濃縮施設を建設した情報をアメリカ伝達するなど、再度恐喝的態度には出ている。
けれども、G20サミット前には、核実験の準備中などと言う情報が韓国のマスコミに流れただけで、G20サミットを止めるような行動はしなかった。

一つの理由は中国が止めたというものだ。
中国は世界に対するリーダーシップを持っていることを誇示する場として、G20サミットを支持している。
実際G20サミットの中で中国は一つの注目の的だった。
アメリカの金融緩和政策に対する各国の不満が出て、中国の元安政策が責められることもなかったのは、国際世論上は中国がアメリカの指導力争いに勝った感じさえもある。
そのようなステージを北朝鮮によって止められることは、中国にとっては我慢できないことに違いない。
中国は北朝鮮を何としてでも止めたい強い意思があった。

北朝鮮はそれを利用した。
北朝鮮は中国に対して、金正恩の後継者の立場を認めるように迫り、ほぼ成功したと思われる。
金正恩のデビューの場所としての代表者会議において、中国の外交使節が平壌に来て、親しく金正恩と会話したことは承認したと認めていいだろう。

金正日の後継者としての承認はずっと出ししぶっていた。
金正日が実質的に後継者としての立場を固めてからも、ずっと表に出てこなかったのは、中国が反対していたからだを考えるのが一番わかりやすい。
社会主義の世襲は問題だ、というたぶんとう小兵の指示によって、金正日は後継者の地位を確立できなかたのだ。
その時のことを考えると、金正恩の後継者としての立場が取り沙汰されてから、ほんの数年での承認は中国が大幅に北朝鮮に対して軟化したことを示している。
金正日の短期間での中国への2回の訪問と考え合わせると、中国と北朝鮮の間で色々な交渉があり、妥協にいたったのだろう。
北朝鮮からすると、監視艇を撃沈したことに対する利得は十分あったと考えていい。

** チンピラヤクザモデルを否定した場合

北朝鮮がチンピラヤクザモデルから離脱したという考えはどうだろうか。
金正日から金正恩に指導者が交替したと考えれば、大きく行動が変化してもおかしくはない。
けれども、金正日がまだ指導者の地位を交替していないことと、金正恩が後継に決定してから少ししかたっておらず、まだ若いことを考えると、実質的な金正恩の影響力が大きいとは思えない。

歴史を振り返えると、アレキサンダー大王のように若くして権力を掌握するケースもある。
しかし、これらのケースは、名目上の指導者の位置が交替し、危機の中で指導者に権力が集中し、それに対応できたことで指導権が確立している。
金正恩の場合はそうなってはいない。
むしろ、デノミの時の旗振り役が金正恩らしいことを考えると、それに失敗した金正恩はかなりみそをつけている。

それらを合わせると、金正日の指導力が依然として保たれていると考えるのが普通だろう。
金正日の指導力が健在ならば、特に行動パターンが変化する理由はない。

** 結論

北朝鮮がチンピラヤクザだというモデルは未だに有効だと思われる。
すると、北朝鮮が核開発するとかいう脅しで、韓国・アメリカ・日本に対して迫ってくることは変わらないだろう。
けれども、現在の韓米日の政権がそれに屈っすることは考えにくい。
韓国は幾分援助をするみたいだが、本当に雀の涙みたいな道義的な援助で前のノムヒョン政権の時とは大違いになっている。
これでは、金が入らない北朝鮮は苛立つ。
北朝鮮が行動をエスカレーションする危険性は高いが、戦争になることを嫌う中国は止めに入らざるを得ない。
中国自体が世界に対して強硬に出るか、穏健に出るかで分裂している状態では、北朝鮮に対して決定的な行動は取れない。
わずかの金で事態を先延ばしできるならば、中国は金を出すのではないかと思う。
中国がなんらかの形で北朝鮮に金をやれば、今のままの情勢が続いていきそうである。

中国にとっては北朝鮮に鼻面を引きずりまわされている状態で、不満も多い。
けれども、北朝鮮を味方にするか、敵にするか、決すことができない状態ではいたしかたない。
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なぜデフレは悪いのか?への反論

2010.11.19 Fri

23:22:11

昔、まだブログを書き始めたころは、あまり経済政策も真面目に考えたことがなく、リフレ政策に対しても中立的だった。
経済についても勉強をし、いろいろ考えるようになると、どうもリフレ理論が気に入らない。
正しいと思えない。
そうするとデフレに対しても印象が変わってくる。
不況だからデフレになるという考えは簡単に理解できるけれども、デフレだから景気が回復しないという意見には納得できなくなる。

デフレ、それ自体は問題なのだろうか。

** クルーグマンの主張

デフレの問題点として、ノーベル賞経済学者のクルーグマンは次の3点を挙げている。

参照:なぜデフレは悪いのか? 道草

引用開始

デフレについて心配するべき異なる理由は、実は三つある。二つは需要側について、もう一つは供給側についてのものだ。
引用終了

需要側の二つの理由は次のようなものだ。
一つは、デフレによって物の価格が下がっていくのであれば、購入を後に伸ばした方が消費者にとってより安く買える、というものだ。
もう一つは、デフレによって借金の価値が段々と重くなるので、名目の利子率は低くとも実質の利子率は高くなり、投資しづらくなるという問題だ。

最初に読んだときは誤読していたみたいで、上の二つに理由をまとめてクルーグマンの最初の理由だ。
クルーグマンの2番目の理由は今してある借金の実質の価値が上昇するので、借り手が支出を抑えるというものだ。

最後の一点の供給側の理由は、賃金の下方硬直性によるものだ。
賃金はデフレであっても、なかなか下がらないという特徴がある。
デフレの状況で賃金が下がらないと企業の利益が圧迫されて投資できなくなる。
それでデフレは成長に悪影響を与える。

以上の理由について反論してみたい。

** 反論

デフレによって物の価格が下がると言っても、今現在の日本だと年に1%ぐらいなものだ。
1年に1%ならほとんど誤差でしかない。
普通の人は認識できない。
本1冊が1000円だとして、1年後に990円になると知ったから、1年買うのを待つ人がいるだろうか。
1年後に990円の本を買う人は、今1000円でも買うだろうし、逆に今1000円で買わなければ、1年後990円になっても買わないだろう。
もちろん、現在日本の1%の下落というのは、全体を平均化した数字に過ぎない。
1年に10%、20%下落するならば、また状況が変わる。
しかし、電気製品のように恒常的に年10%とかの価格の下落する商品であっても、別に売行きは変わっていないように見える。
恒常的に下がるということは、別にいつ買っても損をするのだから、購入時期は関係なくなるからだ。

大恐慌のような、20%近いデフレなら購入を我慢することがあるかもしれない。
けれども、今の日本のような年1%のデフレで、買いしぶりが発生するかというと絶対にない。

***

次は借金の実質利子率が高くなる問題だ。
いろいろ難しく考えるとわからなくなってしまうが、そもそも借金をする人は実質利子率など考えるのだろうか。
名目利子率が何%を考えて、その資金を運転費用などに回し、商品を回転させて、その利益が利息を上回れば、それでいいのではないだろうか。
デフレが問題になるのは商品を売りさばこうとした時点になる。
デフレで予想した金額で商品が売れなかったら、確かに問題だ。
けれども、予想した金額で商品が売れないというのは、商品それ自体に問題があるとか、不景気だからであって、デフレが問題なのではない。
逆に、デフレであっても、計画した通りに商品がさばけたとしたら、利益はより大きくなる。
名目の利益がデフレによって、実質的に高くなるからだ。

つまり、デフレだと実質利子率が高くなるので投資が増えない、と難しく言いつくろってみても、実際は不景気だから投資が増えないというのと同じことではないだろうか。

***

今してある実質の借金の価値が高くなる問題というのは、クルーグマン自体が指摘しているようにゼロサムだろう。
貸し手はそのことによって支出が増加する効果はあるはずだ。
実際に支出が増加しないのはデフレという不況の効果だ。
理論としては、打ち消しあって無視していいように思える。

***

最後に賃金の下方硬直性の話だ。
理論はともかくとして、現在の日本にはあてはまらない。
リーマンショック後の不況で賃金は無茶苦茶下がっていたはずだ。
5%ぐらいだったろうか。
物価は1.5%ぐらいのマイナスなのだから、それ以上に下がっている。
日本の企業の利益は急回復しているが、これが一つの理由だ。
実例が一つであったとしても、デフレと賃金の下方硬直性は独立した話なのだから、デフレ固有の問題とするのはおかしい。

10年もデフレが続いているから、労働者が軟化して賃金の切り下げを受け入れているという可能性はある。
しかし、賃金が下落するからデフレがスパイラルに進行するわけで、賃金が下落しないならデフレの進行も抑えられるはずだ。
デフレは悪い、それを止めようとしている主張の人間が、デフレの進行を止める現象に文句を言うのは間違っている。

** 結論

私の結論は次の通りになる。
デフレは不況の結果だから良くないにしても、デフレそれ自体にさらに景気を悪化させる要因はない。

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