異をとなえん |

続々:2010年4〜6月期のGDP速報に刮目せよ

2010.08.18 Wed

01:06:40

暑くて、もう死にそうだ。
意識不明に陥りそうな気がする。
ここ数年無かったような暑さだ。
あんまり暑いので、風呂で行水をしてみたが、あがってみると汗が出なくていい。
汗が出てくる前に記事を書いておこう。

昨日のGDP速報が、なぜ大きく下振れしたのかを考えてみたが、現在の状況がアメリカから始まった金融危機が進行している局面だとの理解が足りなかったことが原因だと思う。
日本においては、バブルの崩壊による経済が縮小均衡する状態は解消されている。
しかし、アメリカで起こったバブルは全世界を覆い、日本の2003年ごろの景気回復もその恩恵を受けていた。
その崩壊が今なお進行中だとすれば、それによる需要の縮小は続いていくはずだ。
日本経済もそれに巻き込まれているならば、早急な需要の回復は難しいのかもしれない。
世界経済がこれから下降していくとすれば、底値に入ってから買いを入れたほうがいいという判断だ。
私の予測はその意識を軽視していた。

日本経済は平成のバブル崩壊の後始末をほぼ終了した。
地価が底値をつけて反騰したのが、その証拠となる。
地方の地価はまだ下がっているが、制度的なものであり、意識としての地価はもう底値だろう。

しかし、アメリカの住宅価格の上昇によるバブルは全世界を覆っていた。
アメリカの消費が急速に増加していたことによる輸入の増加は、中国を中心として関係する国々の大幅な需要の増加を招いた。
日本も中国に部品等を輸出し、中国で組立、アメリカに製品を輸出する国として、その恩恵を受けることとなった。
また、アメリカの不動産ブームと金余りは日本にもその投資の目を向けた。
東京を中心とする不動産価格の上昇は外資系の金融機関による不動産物件への融資の影響が大きい。
外資系金融機関が融資をどんどん拡大したからこそ、不動産価格の上昇を引き起こした。
日本の金融機関はバブルに対する経験から融資を拡大していなかった。
だから、リーマンショック後の金融危機において、外資系金融機関が融資を絞ると不動産各社は一気に危機に落ち込んだと言えよう。

輸出が増えたことと、都心の不動産価格の上昇は日本経済にプラスの影響をもたらし、小泉政権から始まる戦後最長の景気回復を生み出した。
その二つがなくとも、私は日本経済は自然に回復したと思うが、なかった場合成長率が落ちることは確実だったろう。
けれども、金融危機によって、バブルが崩壊すると、その二つは一気に潰れてしまった。
日本経済も急激に落ち込んだ。
世界各国の金融システムを崩壊させないための各種措置と財政出動によって、大恐慌のような底を抜けたような危機に陥ることは避けられた。
景気は落ち込めば自然に戻ってくるものだから、底が抜けさえしなければ回復してくる。
日本の輸出も大体回復した。
けれども、バブルの崩壊による資産価値の低下は需要の減少をもたらすはずだ。
景気変動による一時的な需要の急増が終われば、金融危機の前よりも低い部分で需要は落ち着いてくる。
その場合、単純に需要が減ったでは追いつかない。
ケインズの言う合成の誤謬による縮小均衡局面が始まる。
本当の危機の始まりだ。
その危機がどのような物になるかは予測がつかない。
世界各国が財政政策をどう取るかにもよるし、新興国の成長もまた未知数である。

日本もアメリカのバブルの恩恵を受けた以上、その縮小過程に参加している。
都心のプチバブル的な地価の上昇は既に解消した。
底を打ったと見られるから、この影響は余りないだろう。
けれども、政府が金融危機の対応のために緊急に発動した各種の政策が残っている。
エコカー、エコポイント制度の停止に伴って、どのくらい需要が減少するかは読めていない。
また、今後の世界が停滞局面に向かう場合の、世界の需要、つまり日本の輸出がどうなるかも読めていない。

このような状況下で日本人の多くは冷静な判断をして待ちの姿勢を取っているように思える。
企業は世界経済の行く末がはっきりするまで、できるだけ設備投資を押さえようとする。
投資家は底を見てから投資をしようとする。
アメリカの株価が下げるなら、ひいては世界の株価が下がるならば、それから買ってもおかしくない。
消費者も自分の収入の先行きがはっきりしない。
もう少し状況がはっきりするまで消費を押さえようとする。

結局、日本経済自体は既に自律的な経済回復の途上にあると行っても、世界経済自体の先行きは不透明である。
世界経済がどうなるか、当面はアメリカ経済に二番底があるかがはっきりしてから、日本経済の先行きも決まる。
そうすると去年の9月から今年の3月までの高めの成長は景気回復過程に依存したものと考えていいだろう。
バブル崩壊から始まった日本経済の停滞の本格的な回復は、アメリカ経済が再度下降局面に向かった後になるというのが、私の今回の結論である。
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