異をとなえん |

円高雑感

2009.11.26 Thu

17:04:47

円が1ドル86円台をつけた。
1995年7月以来14年4カ月ぶりということだ。
ドルは全面安で世界中の通貨に対して下げている。
円とドルの関係について、自分では新しい認識があったので、それを書いてみる。

円とドルの関係はドルと他の通貨の関係とは異っているのではないかと感じている。
ドルと他の通貨との関係は、わかりやすい。
ドルの価値が今後減少すると感じるならば、ドルから他の商品に逃げ出してゆく。
株式、原材料商品、そして他通貨にだ。
つまり、株高だとドル安になるわけだ。
逆にドルの価値が今後上昇すると感じるならば、ドルが買い戻される、ドル高に向うことになる。
ドルの価値が上昇するというのは、景気が悪くなってデフレ傾向に向かうことを意味する。
世間で広まっている説であり、私も支持している。

それに対して円の関係はわかりにくい。
円とドルは他通貨に対しては、大きな流れで見るとほぼ同じ動きをしている。
しかし、ドルの大元の動きと関係なく円は動いているように見える。
ここ数ヶ月、ドルと円の関係を理解しようとしたが、どうもうまく理解できなかった。
上の理屈に逆らって、アメリカ株安でも円高傾向になることがあったからだ。
また、円高ならば外国から資金が日本に流れ込むわけだから、株価は上がってもいいと感じていた。
実際、韓国などではウォン高になったからと言って、株価は下がっていない。
投資資金が流れ込んでいるから、逆に上がる。
その理屈が通用せず、すっきりしないままだった。

しかし、円とドルの関係は、他通貨とドルの関係と違って、円を主体に考えれば説明できることに気がついた。
つまり、日本の場合円高になるのは、日本の資金が他通貨から円に換金していると考えるべきなのだ。
円単独でもドルと同じような理屈が成り立っていると考えれば、いろいろなことが説明できる。

今回の円高では、円は他通貨に対してもかなり上げている。
ドル安であると同時に円高でもある。
これは、円とドルとの関係がドルの影響を強く受けるより、円の内部の力が強く働いていることを示している。
つまり、円もドルと同じような力で動いているのだ。
円の価値が今後より強く上昇すると感じるならば、つまりよりデフレに向かうと感じるならば、商品を売って、つまり円を買うことになる。
これは株式、他通貨、原材料全てが含まれる。
そこで、円高と同時に株価が下がるわけだ。
逆に、円の価値が下がるというか、デフレ傾向が弱まるならば、円を売って他商品を買うわけだ。

この理屈は他通貨にもあてはまるわけではない。
結局流動する富があって、始めてこのような現象が起こる。
信用が弱い通貨では景気が良くて、自国通貨の価値が減少すると考えて、ドルを大量に買ったとする。
そうすると、ドルに大量に変換する時点で、急激な通貨安が起こってしまい、そもそもの景気がいいという条件を破壊してしまう。
それに、ドルの方の力が強すぎて、あまり自国の影響が出てこない。

その理屈から言うと、今回の円高は日本の景気の悪さから起こっている。
株価はここ数日世界の中で、独歩安だった。
だから、円高になる。
円高だから株価が下がるというより、株価が下がるから円高という理屈になっているのだ。
そして、ドルは低金利が長期化するという観測のもとに、全面安に向かった。
金と株価は史上最高値を更新している。
この二つの流れを受けて、円が14年ぶりに高値をつけたわけだ。
以上が私の新しい認識から来る今回の円高の意味だ。
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