異をとなえん |

物を右から左へ動かすような仕事

2009.07.28 Tue

03:18:13

録画しておいた、NHKの「マネー資本主義」の最終回を見た。
その中で、マンガ家の西原理恵子氏が番組のまとめの際に、
物を右から左へ動かしているだけの人たちが、
大金を稼いでいるという批判をしていた。
逆ではないだろうか。
物を右から左に動かしているだけだから、大金を稼げるのではないだろうか。
物づくりはわかりやすく、正しい仕事だ。
自分が何らかの価値を生みだしたことがはっきりとわかる。
マンガ家の西原氏だったら、後世に自分の作品が残っていく。
それに対して、物を右から左は動かすような仕事は、ある意味何も残らない。
何も残らない仕事だからこそ、
その代償として、多額の収入が入るのではないだろうか。

人はできるだけ、自分の価値を後世に残したい。
だから、物づくりは人気がある。
それに対して、物を右から左へ動かすような仕事は、
どこに価値があるのか見出しにくい。
マルクス主義者から見ると労働者を搾取しているように見える。
ただ、それが必要な仕事であることは、旧ソ連の崩壊でも明らかだ。
大量に取れた穀物を欲しがる人々のいる所にまで、持っていけばいいのに、
その作業に対しては報酬が出ないので腐らしたなんて話をいやほど聞く。
だから、人気がないのに必要な仕事だから、高所得が得られる。

もっとも、これは少し筋違いだ。
バブルの時は金融業が就職先で人気であったように、
報酬さえ高ければ、人間はそちらになびく。
だから、人気がないから、高収入というのはおかしい。

金融業のような仕事が高額の報酬を得られるのは、
どういう価値を生み出しているかが、わかりにくいからではないだろうか。
物づくりはわかりやすい。
自分がどんな価値を生み出したかを、作っている人はだいたいわかる。
それに対して、金融業などはどこで価値を作っているかがわかりにくい。
物を右から左に動かす販売の仕事は、まだわかりやすい。
物が余っている所から、物が不足している所に、動かしていく、
足りない人には、うれしい話だ。
金融業はそれが非常に見にくくなっている。
単純に資金が不足している企業や人に金を貸すのは、わかる。
問題は、それが複雑に絡み合っている時だ。
ある意味、単なる賭博に見えてしまうが、常に儲けている人がいることは、
やはりその中で価値を見出しているのだろう。
そのわかりにくい価値を見出しているから、高収入が得られている。

「マネー資本主義」は納得しがたい部分が多かったが、
その中で今回思いついたことを書いてみた。
このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る