異をとなえん |

なぜローマ帝国は滅んだのか - 理想国家としての日本(その3)

2008.10.21 Tue

04:38:43

ローマ帝国が滅んだ理由は昔から論議されている。
キリスト教が原因とかいろいろあるが、
日本を理想国家モデルと考える理論
を使えば、答えは簡単である。
理由はゲルマン民族が侵攻してきたからだ。
日本も平安時代以後、朝廷は弱体化し、戦国時代にはほぼ分裂状態になった。
外敵が侵攻してくれば滅んでいたかもしれない。
けれども日本という国は滅びなかった。
なぜが、日本に侵攻してくる国がなかったからだ。
ローマ帝国も同じ事だ。
国というのは、外敵がいなければ、なかなか倒れない。
そういうものだと思う。

しかし、ローマ帝国に外敵が存在しなくなった事など、一度もない。
それなのに、なぜあの時外敵に抗する事ができないほど弱ったのか。
その理由も簡単だ。
帝国は滅ぶものだからだ。
古今東西あらゆる帝国は滅んできた。
モンゴル帝国、その後継者であるオスマントルコ帝国、ロシア帝国、ムガール帝国、
明、清など挙げていけばきりがない。
滅ぶ理由は、帝国が無理なシステムだからだ。

帝国というシステムは搾取が基本である。
中枢が各地域から富を簒奪し、繁栄を極める。
簒奪できるのは武力によってであり、武力によって各地を征服したから、
富が集められる。
武力によって被征服民を脅しながら、富を集めるのは極めて困難な事だ。
最初は簡単だ。
強引に侵攻して、金銀財宝を出さないと殺すと言えばいい。
しかし、二度目からは困難が増していく。
取られる事がわかって、働く者はいない。
収穫物の分配方法で、ある程度の合意が得られなければ生産が滞ってしまう。
支配者と被支配者の間で契約が結ばれていく。
両者の間にある程度の感情の共有が行なわれ、
暴力に訴える事がやりにくくなる。
それらによって、各地域は独立の度合いを高めていく。

また、支配者たちは堕落する。
支配者たちは繁栄する事によって、命を賭ける事が難しくなる。
少し税金を増やして反乱が起きてしまえば、鎮圧するのが大変だ。
ちょっとの金のために命を賭けるのは馬鹿らしい。
外敵に対する戦いだって、自分たちで戦いたくない。
被支配者から徴用して、なんとかごまかそうとする。
でも、そんな軍隊が強いわけがない。

そんなこんなで、
帝国は武力によって征服した地を抑える事ができなくなってしまう。
逆に言えば、その時点で、帝国は帝国でなくなるのだ。

ローマ帝国もローマ市民権を得た者たちによる帝国の支配が、
ローマ市民権を持つ者たちが大幅に増え、
全ての属州民にローマ市民権を与えた時点で終わる。
ある意味帝国と呼べなくなったのだ。
その結果、地域ごとに生産分配が行なわれ、各地域は自立を深めていく。
各地域は自立、分裂するのだから、統一的な軍事行動が取れない。
外敵に極めてもろくなるので、ゲルマン民族の侵攻で滅んでしまう。

ゲルマン民族の侵攻がなければ、各地域が自立を深めた後、
日本みたいに分裂・統一の流れができたかもしれない。
そしてローマ皇帝が存在し続ける事も。
まあ、そんな事は夢物語だ。
結局、外敵が存在したからローマ帝国は滅んだという結論になる。
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