異をとなえん |

理想国家としての日本

2008.09.03 Wed

01:29:21

理想国家といってもユートピアみたいな意味ではない。
理想気体と同じような意味での、理想国家である。

理想気体というのは、
ボイルの法則(温度一定のもとでは、圧力と体積は互いに反比例する。)や
シャルルの法則(圧力一定のもとでは、体積は熱力学温度に比例する。)が
成り立つ気体の事を言う。
私のいい加減な化学の理解では、
近似的にボイルの法則やシャルルの法則が成り立っているケースはたくさんあって、
つまり理想気体として処理できるケースがたくさんあるので、
そうすると便利という話だと思う。

日本が理想国家というのは、
近代まで外国との戦争が極めて少いので、
戦争がない場合に国がどう発展するかのモデルになるからだ。
対外戦争0なのが一番望ましいが、それはないものねだりだ。
日本の対外戦争は、攻められたのは元寇、
攻めたのは白村江の戦いと文禄慶長の役ぐらいで極めて少なく、
期間も短いから、大きな影響は与えていない。
神功皇后の三韓征伐は、事実かどうかはっきりしないので除外しておく。

戦争があるのが常態で、ない日本の方が特殊だと言うのは一理あるが、
モデルとして考えた場合変数が少くて単純な方が処理しやすい。
単純なモデルで成立を確かめてから複雑化するのが、正しい方法だろう。

たとえば、日本と朝鮮の歴史は最初の頃かなり似ていたという話がある。
朝鮮に高麗があった時代は日本みたいに侍に似た武臣政権が成立し、
日本の鎌倉時代に近い感じだ。
もちろん、その後は全然違うわけだが、その理由を日本と朝鮮の内部の違いに求めるより、
モンゴルの侵略によって朝鮮が全然別の国になったからと考えた方がずっと簡単だ。

つまり、本来なら日本のように封建主義が発達したのが、
モンゴルの侵略によって変質したと考えるわけだ。
もう少し定式化すると、ある国の歴史を推測する時に、
ある国の歴史が日本のどの段階に当たるかを考え、
何もしなければ日本のように発展したのだが、
外国との関係によって変化したと認識する事になる。

マルクス主義の国家の発展段階説による古代奴隷制、中世封建制、近代資本主義制も、
日本の歴史で考えると中世封建制、近代資本主義制は、なんとなく近い感じだ。
しかし、古代が奴隷制というのはかなり違う。
日本のマルクス主義の歴史学者は、なんとかモデルに適合させようと、
奴隷制らしき物を探し苦労している。
私の考えは違う。
日本の古代こそが基準なのだ。
古代が奴隷制とされるのは、
ヨーロッパの古代がローマ帝国による他民族の支配をモデルとしたからだ。
つまり、帝国という別の要因が奴隷制を生み出した。
そう理解する方が納得できないだろうか。

では、古代と中世を分かつ物は何か。
荘園や侍の発生が中世の意味ならば、古代をどう捉えたらいいのか。
これについては、思いついたばかりなので、これから考えたいと思う。

このように日本を理想国家のモデルと考える事によって、
奴隷制を帝国と結びつける事が可能になる。
また、中国の各王朝やその他のアジアの王朝も、
マルクスはアジア専制と考えたが、
ローマ帝国も含めた帝国による他民族の征服国家と解釈する方が、
本質を捉えているのではないだろうか。

以上のことから、日本を理想国家として国家の発展について考えてみたい。
まず、国家の始まりについて考える。

この項続く。
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