異をとなえん |

クローズアップ現代の感想

2008.08.31 Sun

00:48:19

今日、クローズアップ現代の再放送で、
「“グローバル・インフレ”の衝撃 〜転換する世界経済 日本は〜」という番組を見た。

全般的には眠たいつくりで、印象はほとんど残っていない。
ただ、日本が石油値上げの対応のために、技術開発に力を入れている場面が良かった。

石油の値上げに対して、
ガラス産業と石油化学産業では技術革新によって突破しようとしている。

ガラス産業では、ずっと使ってきた製造法を、
技術革新によって新しいプロセスに変更しようとしている。
1600度の高温でガラスを数日溶かす今までの方法に対して、
プラスマで温度を高くあげ、一瞬の内に原料を溶かしてしまうらしい。
原料を数日に渡って溶かす方法は、
聞くだけでエネルギーのムダがたくさんありそうで、
それを変革するのはいい方向に見える。

もう一つ、石油化学産業では、原料の石油を使わない方法に変更しようと努力している。
残り物のCO2とH2を使って、石油化学の基本となる材料を直接作ろうとするのだ。
その反応のためにエネルギーを必要とするので、永久機関のような技術ではないが、
何らかの方法でエネルギーを供給できれば、石油化学産業を発展させるだろう。

世界の技術開発については良くわからないが、
日本はかなり進んでいる印象を受けた。
今後も発展して欲しい。
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「大山康晴の晩節」感想

2008.08.29 Fri

20:13:54

河口俊彦著「大山康晴の晩節」(新潮文庫)を読む。
河口さんは将棋マガジンで対局日誌を連載している時から好きで、
よく読んでいた。
大山康晴論を書きたいというのは、折にふれ読んだ覚えがあるけれど、
結局出ないとばかり思っていたので、文庫で見つけて驚いた。

目次は下記の通り。

序章
甦った大山将棋
人間的な威圧感

一章 ガンとの闘い
六十三歳の名人挑戦者
熾烈な生存競争
棋界政治と大山会長
しのびよる衰え
晩年の驚異的な粘り

二章 生い立ちから名人まで
十二歳で木見八段門へ
名人への道−昭和二十年代の実力者た

三章 大山将棋の強さ
ナンバー2を叩け
強すぎて、面白くない

四章 早逝した天才棋士との闘い
若き山田道美の自負と懊悩
大山は催眠術を使う?
大山VS山田−大山奇勝を博す
絶局は大山戦だった

五章 追われる身に耐えて
升田に引導を渡す
中原に名人位を奪われた七局

六章 会長就任と永世名人
名人戦と三大新聞社の抗争
五十歳以後の勝星がすごい!

七章 ガン再発後の粘り
手術直前の対局−対有吉・小林戦
A級残留への執念−対高橋・米長戦
大スターの残光−対谷川・高橋戦

終章−まだ引退できないのか

史上最強の将棋指しとして名高い大山康晴の生涯を、
晩年に焦点を合わせて描いている。

本のテーマは大山康晴の勝負師としての偉大さだ。
そのために、盤上盤外での勝負術を記し、大山の心理状態、
対局相手の心理状態を語っていく。
ただ、心理描写は基本的に推測であって、
実際に確認を取っているのは少い。
そのため、もっともらしくはあるが、信じられない部分もある。

作品の中では、大山康晴の強さを将棋としての強さより、
勝負師としての強さにおいている。
私には納得できない。
大山が勝ちまくったのは、
当時の将棋界のレベルが低かったと解釈するのが一番理にかなっている。
現在は指した棋譜が直ちに広まって、棋士が研究を欠かさないのに比べて、
昔はずっとそれが弱かった。
毎日飲んだくれているような棋士が勝てるわけがない。
生活の全てを将棋に捧げているような大山に勝てないのは当然である。

河口氏の作品は実に劇的である。
現実よりもずっと劇的に見える。
羽生が天才だと印象付けられたのも、
実際の対局より河口氏の文章を通してであった。
後世の評価は現実よりも、それを表現した文章にある。
逆に言えば、真実を知りたかったら、
文章の裏側にあるものを探らなくてはならない。
棋士の実際は棋譜に表われている。
それを読み取る事ができない自分が、ちょっと残念だ。
信じすぎてはいけないけれど、読み物としては楽しい本だった。

以上がメインの感想だが、もう二つ印象に残った事がある。

一つは升田の事である。

私が棋界に興味を持った頃は、もう升田はA級を休場していて、
ほとんど印象がない。
しかし、本を読むとP92には

「そして当時の升田は将棋界のみならず、日本の大スターになっていた。
関西の新聞の人気投票では、一位がフジヤマのトビウオ、古橋。
二位が升田幸三であった。」

とあり、とてつもない人気があった事がうかがえる。
大山康晴は升田幸三を叩く事で、
どうしても世間では悪役と見がちであったらしいのが、
私には新鮮な切口だった。

もう一つは山田道美氏のことである。

本の中には、山田道美との戦いに焦点を合わせた一章がある。
私が将棋の勉強をしようと始めて買った本が、
山田道美著の「現代将棋の急所」という本だった。
将棋の本は、結局その本だけしか買わなかったから、
何回も読んで著者に親近感を抱いていた。
この本は山田道美氏の評伝にもなっているのが、少しうれしい。
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日本の国名は一度も変わってない

2008.08.28 Thu

18:23:26

歴史学者網野氏の主張だと思うが、
わが国が「日本」という国号を付けたのは「天皇」という称号を決めた時と同じで、
それ以前は「日本」ではないから、
それ以前の人を日本人と呼ぶなと言うようなものがある。
制度は変わっても、支配者は変わっていないし、人々も同じなのだから、
言い方の区別にどういう意味があるのか、私はいつも疑問に思っている。
この記事を書くために、網野氏の書いた物を再度読んだのだが、
なぜ区別したがるのか、やはりよくわからない。
区別したがる理由は別にして、今回書くのは、本当に国号が変わったのか、
いや変わっていないのではという話である。

戦後、日本の国号をローマ字表記する際には、
「JAPAN」から「NIPPON」に変更したという話を読んだ事がある。
今回書くにあたって本当かどうか確認したかったのだが、できなかった。
正式決定かどうかは別として、変更の意味は「JAPAN」というのは英語だから、
別の言語の場合でも使うのはおかしい。
どの言語でも使えるように、日本の発音のローマ字表記を使うという意味だろう。
この場合、「JAPAN」から「NIPPON」に国号を変更したと考える人がいるだろうか。
外国語での表記上の単なる変更に過ぎないと考える人がほとんどではないか。
「倭」から「日本」への変更も私にはほとんど同じと思える。

「倭」から「日本」の変化は中国語での表記の変更に過ぎない。
たぶん、当時の外交担当者には「倭」というのは格好がいい言葉に思えなかったのだろう。
その結果、702年に中国側に交渉して名称の変更を認めてもらった訳である。

では、当時の日本人は自分たちの国の名前をどう考えていたのか。
当たり前だが、発音としての「ヤマト」である。
当時の日本は無文字社会で、漢文は導入されつつあったが、
中国語の表記であって、日本語を表記する物という考え方はまだなかっただろう。

英語のJAPAN表記をNIPPON表記に変更する事が
多くの日本国民にとって大きな意味を持たないように、
中国語表記での「倭」という国名を「日本」という国名に変えた事も
大きな意味を持たなかった。
日本書紀に国号の変更の記載がないのは、
外国語表記の変更だけだから、重要と思えなかったのだ。
当時の日本人にとって国名は音としての「ヤマト」が、そのまま続いていった。

「ヤマト」の古事記での表記が「倭」であり、
日本書紀では「日本」であるのは翻訳の違いだ。
古い時代の資料中心に編纂したと思われる古事記は、
「ヤマト」を「倭」と訳した資料をそのまま使い、
日本書紀は最新の表記法である「日本」に統一した。

時が流れ、万葉仮名が生み出され、日本語を文字表記する事ができるようになった。
漢字は中国語を表記する文字というだけではなく、
日本語を表記する文字として認識された。

そして、音読み、訓読みが生まれた。

この変化はゆっくりと、音でも訓でも読むことができる漢字は、
表記自体が言葉の実体であって発音は言葉の本質ではないという認識をもたらした。

「日本」も訓読みとしての「ヤマト」から、音読み風に「ニッポン」と読むようになり、
さらにそれが変化して「ニホン」と読むようになった。
だからと言って「日本」の国号が変化した訳ではない。
「日本」は「ニッポン」と読もうが、「ニホン」と読もうが、
そして「ヤマト」と読もうが自由なのである。
正確な国号は表記としての「日本」なのだから発音にこだわる必要はない。

無文字社会だった日本は、言葉の本質をその発音だと捉えていた。
それが、漢字を導入し、ひらがなが生まれ、
いつしか言葉の本質をその文字と捉えるようになった。
漢字の事を真名というように、漢字としてである。
発音される「ヤマト」という音より、表記される「日本」という文字の方を、
真のその言葉の本質として認識するようになったのだ。

まとめると、日本の国号の変化に見えるものは変更ではない。
「倭」から「日本」の変化は単なる外国語表記の変更に過ぎず、
発音の「ヤマト」から「ニッポン」への変化は、
国号の「日本」をどう読むかだけの問題にしか過ぎない。
実際、現在だって「ニッポン」と読むか「ニホン」と読むか議論されているが、
重要な問題だとは誰も思わない。
真の国号の変化は発音としての「ヤマト」から文字としての「日本」の変更にある。
この変化は、言葉の本質・実体をどう捉えるかという話であり、
日本人全体が時間をかけて、ゆっくり変化していったものだ。
しかも、意識の変化だから、具体的に何かが変化したわけではない。
発音の変化は意識の変化が完了したから表れるだけだ。
大変化すぎて捉えようがないのだ。

結局、「日本」の国号は一度も変更されていない。

「日本」の国号がないころの人々を日本人と書きたくない人には、
そう書いて「ヤマトビト」と読むんだと言っておけ。
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書けなかった

2008.08.28 Thu

02:22:35

書けなかった。
2ちゃんねるやらで、メモのためにコピーした記事を置いておこう。

1.H2Aの原価


389 NAME: NASAしさん DATE: 2008/08/27(水) 12:16:36
>>385

元の数字の確認だが、SRB-A は一本で8億円程度では無かったかな?

燃料タンク兼機体のほか、
アビオニクスはかなり高い.リングレーザージャイロとか、加速度計、テレメーター。
姿勢制御用のヒドラジンサイドジェット系統、特に二段。
分離のための火工品。
段間部
フェアリング

気づいているとは思うけど、謝場整備費用が打ち上げ費用の二割近くしめている.

390 NAME: NASAしさん DATE: 2008/08/27(水) 12:23:39
以前H2A/Bスレに書き込んだものだけど、
ネットにアップされていたレポート(URL忘れた)の図から、
読みとったH2A202のコスト

       概算(億円)
SRB-A+火工品 16.1
LE-7A    10.2
一段機体   14.1
LE-5B     3.4
二段機体   12.7
アビオニクス 11.2
フェアリング 3.4
射場整備   24.9
       96.0


2.BSマンガ夜話放送


第34弾再放送

9/8(月) 深夜25:55〜 [9/9(火)1:55〜]
 山田芳裕 「へうげもの」

9/9(火) 深夜25:45〜 [9/10(水)1:45〜]
 雁屋哲/池上遼一 「男組」

9/10(水) 深夜25:45〜 [9/11(木)1:45〜]
 羽海野チカ 「ハチミツとクローバー」

どうぞお見逃しなく!!

第35弾放送決定!!

9/16(火)〜18(木)の3日間、BSマンガ夜話第35弾をお送りします。どうぞお楽しみに。

9月16日(火) 24:00〜
柴田ヨクサル 「ハチワンダイバー」
(公開収録分 : 生放送ではありません)
9月17日(水) 24:00〜
原案・李學仁/漫画・王欣太 「蒼天航路」
ゲスト: (未定)
9月18日(木) 24:00〜
あずまきよひこ「よつばと!」
ゲスト: (未定)



3.ロンドンの人口構成


368 名前:<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´ )さん:2008/08/27(水) 22:52:03 ID:RUY0qtRd │
ロンドン在住者の出身国(2001年)
United Kingdom 5,230,155
India 172,162
Republic of Ireland 157,285
Pakistan 120,900
Bangladesh 84,565
Jamaica 80,319
Nigeria 68,907
Kenya 66,311
Brazil 60,000
Sri Lanka 49,932
Ghana 46,513
Cyprus 45,888
South Africa 45,506
United States 44,622
Australia 41,488
Germany 39,818
Turkey 39,128
Italy 38,694
France 38,130
Somalia 33,831
Uganda 32,082
New Zealand 27,494
Portugal 25,194

ロンドンは外人だらけ。東京は中国人さえ100人に1人。


4.日本の空港利用者数


305 NAME: 名刺は切らしておりまして DATE: 2008/08/26(火) 01:14:34 ID:QaWrGONV
年間100万人以上の乗降客がある空港(2006年度)

* ■: 空港連絡鉄道がある空港。この他に美保飛行場にも空港連絡鉄道がある。
* ★: 東京国際空港便(羽田便)がない空港
* ○: 成田国際空港便がある空港

順位空港旅客合計       国内線       国際線      種別
1 東京■ 6688万3129人 6526万5791人 161万7338人 1種
2 成田★■ 3201万6338人 115万0380人 3086万5958人 1種
3 新千歳○■1853万6350人 1776万8210人 76万8140人 2種a
4 福岡○■ 1812万3731人 1588万5543人 223万8188人 2種a
5 大阪○■ 1684万2868人 1684万2868人 0人 1種
6 関西■ 1644万8234人 546万0214人 1098万8020人 1種
7 那覇○■ 1449万5054人 1421万5955人 27万9099人 2種a
8 中部★○■1172万1673人 652万5690人 519万5983人 1種
9 鹿児島 571万4736人 563万0236人 8万4500人 2種a
10 仙台★○■338万7463人 304万7955人 33万9508人 2種a
11 広島○ 333万7027人 298万3110人 35万3917人 2種a
12 熊本 316万7940人 311万9545人 4万8395人 2種a
13 宮崎■ 308万2612人 301万0033人 7万2579人 2種a
14 松山 275万0402人 268万9958人 6万0444人 2種a
15 神戸■ 274万3004人 274万2951人 53人 3種
16 長崎 266万8143人 260万5829人 6万2314人 2種a
17 小松○ 255万6845人 246万8256人 8万8589人その他
18 函館 200万6096人 188万1326人 12万4770人 2種a
19 石垣 197万8553人 197万6724人 1829人 3種
20 大分 188万4641人 185万1365人 3万3276人 2種a
21 岡山 160万3255人 139万0630人 21万2625人 3種
22 高松 152万4303人 148万3166人 4万1137人 2種a
23 高知 149万0541人 148万6100人 4441人 2種a
24 秋田 132万4736人 128万2222人 4万2514人 2種b
25 富山 128万9144人 115万7549人 13万1595人 3種
26 旭川 127万5966人 119万0448人 8万5518人 2種b
27 北九州 127万0666人 124万0389人 3万0277人 2種a
28 青森 126万1908人 120万7826人 5万4082人 3種
29 新潟★ 125万8003人 101万9290人 23万8713人 2種a
30 宮古 111万4679人 111万4679人 0人 3種
31 女満別 108万4195人 107万0426人 1万3769人 3種

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アメリカの不動産はどこまで下がるか?

2008.08.27 Wed

02:36:59

アメリカの不動産の価格下落が続いている。
S&P ケース・シラー住宅価格指数
によると、
2000年1月には主要20都市の指数100だったのが、
ピークの2006年4月には206.52をつけ、
現在2008年6月167.69になっている。
ピークより18.8%下落しているが、問題はどこで下げ止まるかだろう。
もうすぐ止まるという意見も多いが、果たしてどうだろうか。
そもそも、なぜアメリカの不動産の価格は上がったのだろうか?

最初はニューヨークやフロリダなどの景気のいい地域に人が集まって、
不動産の価格が上昇していったと思う。
それが段々アメリカ中に広がっていった。
バブルの時に東京から地価が上がっていった事に似ている。

人口が増えているから、不動産価格が上がるというのは、
ある意味当然だけれど少しおかしい気がする。
家を形作る鉄鋼や木は、特別なものではないから、
通常のインフレ以上に上がる理由はない。
土地の値段はアメリカの都市は分散して、
まだ余っているようだから、
別に希少価値はないように見える。

もちろん、人口が増え需要が増えている以上、
より供給を増やせと価格は上昇していく。
しかし、人口増加の伸びはわかっているのだから、
供給はそれを見越して増やしていける。
最終的には、供給が需要を上回って下落に転じる。

金利差がある国の間の為替相場に似ている。
金利が低い国から金利が高い国には、資金が流れていく。
為替相場はそれを受けて、金利が高い国の通貨は上昇する。
金利差があり続ける限り正しいように見えるが、
そんな訳がない。
購買力平価とあまりにも乖離するならば、反動が出てくる。
為替の場合は、そんなに長く金利差が続くかという問題はあるが。

では、不動産の価格は長期的にはインフレ以外の影響を受けないのだろうか。
そんな事はないはずだ。
住宅の価格は生活水準によって変わってくるから別としても、
土地の価格は交通の便や地域の盛衰によって変わってくる。
その場合、全体としての地価はというとよくわからない。

不動産価格の上昇には特に理由がないから、
インフレより大きい価格の上昇分は結局下がるという結論を
出そうと思ったのだが、どうも自信がない。
むしろ破綻した。難しい。
相場としては、元の価格まで下がる気がするけど、
正しい理論価格をどう求めればいいか全然わからない。
まとまらなかった。
また、後で考えてみよう。
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終身雇用制は戦後特有のものか?

2008.08.26 Tue

01:08:24

日本企業の特色として挙げられる終身雇用制は、
戦後に形成された一時的な物で、戦前は違うという話がある。
しかし、戦前は終身雇用制でないと言っても、その前はどうだろうか。
江戸時代の商家は丁稚奉公から始まって暖簾分けと、ほぼ終身雇用制に近い。
武家も江戸時代初期を除けば、あまり藩をちょろちょろ移動してはいない。
そう考えると、明治維新から戦前までの期間がむしろ特殊なのではないだろうか。
そういう観点から、終身雇用制について考えてみた。

戦前は人材の流動性が高かったと聞く。
さもありなんと思う。

人材の流動性が高かった戦前の特色は、
欧米からの知識技術の導入が活発に行われていた事だ。
当時の話を聞いて驚くのは、人々の若さである。
初代鉄道頭の
井上勝
は、1843年生まれで1869年イギリスから帰国してから鉄道のために活発に働いている。
明治維新という大変革の時だから若者が活躍したという事もあるが、
鉄道という日本で誰も知らない物を専門で勉強していた、
その当時たぶん日本で唯一の人間だったからだ。
鉄道を一つの例として挙げたが、
ありとあらゆる物を欧米から導入せざるを得なかった当時、
外国に留学して専門知識を得た人材は極めて貴重だった。
希少な物は価格が上がるという経済学の常識に従って、
彼らの給与は極めて高かったはずだ。
明治維新の最初には、ほとんどの人材は政府に雇われていったが、
その後、会社が生まれ、そこで雇われていく人が多くなった。
それらの人材は有効に使われるために、最も給与の高い所で働いただろう。

まとめてみると、当時の日本にとって欧米の知識技術を持った人間は極めて貴重であり、
給与は高くなった。
当然、引き抜き等も激しく流動性が高い。
また、知識技術等を手に入れる事は有利な投資であり、
明治初期には多大な金額を投資して外国に留学した華族は多くいたし、
その後は大学進学に熱心な人間も多くいた。
つまり、需要の増大が流動性が上昇させ価格を上昇させたといえる。

このような時代は他にあっただろうか。
数値的裏付けは特にないが、
大化の改新以後の時期と戦国時代後半がそうではないかと思う。

大化の改新が始まって以降、
日本は隋・唐から律令制の導入や仏教の導入などで遣隋使、遣唐使を派遣した。
日本から留学生は命を賭けて隋・唐に渡り、各種知識を学んだ。
厳しい道ではあったが、それなりのリターンはあった。
かなり時代は遅れるが、最澄、空海のような新仏教の創始者は唐留学の経験なしには考えられない。

平安時代に入ると、特定の職をある家系が継続して勤める事が多くなる。
この理由は次のように考えられる。
律令制も、ある意味定着して需要が急激に増えるような事はなくなった。
そうすると、給与はあまり変わらなくなる。
教育投資自体を節減したい。
これは雇用者にとっても、被雇用者、つまり朝廷にとっても同じだ。
雇用者は雇ってもらえる事を前提にしてした教育投資が回収できなければ大損である。
教育投資がムダになる可能性を考えると、それに見合った給与がなければ応募しない。
被雇用者は応募がないと困るし、かと言って給与は上げたくない。
結果、投資した金額が確実に帰ってくるように、ある家系に任せてしまえば、
需要は満たせるし、供給もとどこおりなく続く。
経済学的に一つの合理的な解だと思われる。

戦国時代後半も、人材の流動化は激しかった。
天下統一のための戦いが続くようになると、
戦闘技術者の需要は増大し、かつ、能力がはっきり判定でき、危険性も高いとなると、
有能な人材の給与は鰻登りだ。
野心ある人材は、よりいい条件を求めて動いていった。
織田家が羽柴秀吉をはじめとした、素性もわからない人間を雇っていた事は有名だし、
他家も戦いに備えて有能な人材を雇おうとした。

このように考えてくると、需要が急増している知識技術を持った人材は、
引き抜きが激しくなり、流動性が向上し、給与が上昇する。
経済学的に普通の現象だ。

逆に考えると、戦後の終身雇用は各企業が自前で教育投資を行うことによって、
必要とする人材を確保できたことになる。
人材の流動性が高く、確保する費用が高ければ、
自分たちで教育投資をして育成した方が安くなる。
学校等の教育投資が、需要の読み違いや、個人の能力によって、
ムダが多くなる事を考えると全体としても費用が減少する。
学校ではできない生徒でも、金さえ払えば教育は続けるだろうけれど、
企業では役に立たないと判断すれば他に回すだろう。

今後の終身雇用制はどうなるかを考えると、
IT関連などで一部必要な人材が足りなくなって流動性が激しい分野も見うけられるが、
全体的には特別な知識技術で需要が急増しているとは思えない。
だとするならば、日本社会の今までの事を踏襲して終身雇用制は続くと思われる。
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「格差の実像 〜改革の果てに」感想

2008.08.25 Mon

01:33:31

「格差の実像 〜改革の果てに」
は山陰中央新報の特集だ。

小泉政権による構造改革が地方にもたらした格差を語っている。
格差というより、つめ跡か。

私は小泉政権支持なので、地方にもたらされた変革は望ましい事だと思っている。
小泉改革が中途半端だと言う意見に対して、
実際には強力に影響を及ぼしている事の、実証になっている。
たぶん、後数年で地方は自立をする。せざるを得ない状況に追い込まれている。
それを、明白に示している特集に思えた。

次期衆院選に自民党か民主党、どちらを選ぶべきか迷っていた。
しかし、この状況を見るかぎり、改革を推進しなくとも、
今のままで進めば日本は確実に良くなっていくように見える。
小沢民主党が、ますます地の田中政権スタイルに戻るように感じる今、
福田政権に投票するつもりだ。

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