異をとなえん |

日本観光停止案

2008.07.23 Wed

21:16:59

日本が学校の指導書に竹島を自国の領土として扱うように方針を決めた所、
韓国でそれに反対する動きが活発化している。
いつもながらの情緒的な反応が主なので、日本側は気にもかけていない。
しかし、日本への観光客を停止する措置が、
ありうるのではないかと私は妄想してみた。

日本観光停止案は、韓国が国民に対して日本に観光で旅行する事を規制し、
日本が指導書への記述を撤回するならば、その規制を解除しようという案である。
日本が要求を拒絶する事は確実と思われるので、
日本観光停止はかなり続く事になる。

韓国にとって日本観光停止案の得失を考えてみよう。
得になるのは、まず第一に国際収支の改善である。
現在韓国は石油等の原材料価格の高騰によって、
国際収支が急速に悪化している。
ドル安傾向の国が多い中で、逆行してドル高になっている唯一の国かもしれない。
韓国政府は、ドル安を放置するとインフレ原因になりかねないので
為替介入を実行しているが、
なかなか成果を出せないでいる。

特集:増大する韓国人旅行客

上記のリンクの
「過去10年の訪韓外国人旅行者及び韓国人海外旅行者の推移」のグラフを見ると、
2006年の外国人旅行者数が616万人、海外旅行者数が1161万人となる。
単純に考えて、545万人の韓国人海外旅行者で84億8900万ドルの赤字となったとすると、
2007年の日本への旅行者260万人が消えれば旅行収支の赤字の半分近くが消えて、
約40億ドルの改善要因となる。
外貨準備を減らしての為替介入よりは効果があるだろう。

二番目に、日本への嫌がらせになる。
2010年観光客1000万人を掲げ、達成確実と思っている状況で、
韓国人観光客260万人の喪失は衝撃だ。
観光業にとっては辛い事になる。
日本が大きな打撃を受ける事は間違いない。
韓国にとって、それは嬉しい事のようだ。

三番目に、可能性は少いが日本側がなんらかの譲歩をする事が考えられる。
もし成功したならば、支持率が急落した李政権としては大きな得点だろう。

損はいろいろある。
まず、日本への旅行を既に予約している人々には不満が当然残る。
キャンセル代も馬鹿にならない。
ゴルフやスキーみたいに近場だから旅行していた人には、
代替となる国はない。
しかし、反日は大義名分であり、反対できる人はいない。
長期的には政権への不満を募らせるかもしれないが、短期的には問題ない。

二番目は航空会社、旅行会社の損だ。
韓国から日本の各地方への航空路線はほとんど韓国の航空会社が運航している。
韓国人の観光客がいなくなれば、どの路線も致命的打撃を受ける可能性がある。
また、韓国から日本への観光客は日本の観光業者だけでなく、
韓国側の旅行代理店を使っているはずだ。
そこらへんも、みんなパーになる。
ただ、これらは海外旅行を禁止すれば、必然的に起こる事だ。
反日を名目にした国際収支の改善なのだから、我慢するしかない。

三番目に日本側から報復措置として韓国への観光旅行を停止する可能性がある。
韓国から日本への観光客は約260万人、日本から韓国への観光客は約224万人だ。
報復措置が起こった場合もトータルでみると、赤字を減少させる効果をありそうだ。

日本側が報復措置を取らない、あるいは取れない理由は、
韓国を旅行しようとする日本人が文句を言うからである。
韓国と違って、旅行禁止措置に同意する事はない。
強行すれば、嫌韓的な人の支持は得られても、
福田政権自体の支持率は落ちる危険性の方が高い。

最後に、どこを落とし所とするかが問題だ。
竹島問題での譲歩を期待できないならば、日本観光停止はずっと続く事になる。
本当にそうする事ができるだろうか。
ずっと、続ける自信がないならば、日本が譲歩していないのに、
手を降ろす事になる。
韓国民にそれを説明できるか。
もちろん、ずっと日本観光停止だとの覚悟があれば、それほど問題ではない。

以上の事から検討してみると、日本観光停止案というのは、
韓国にとってそんなに悪くない政策に思える。
問題なのは嫌韓というより反韓的な動きが強まることか。
今まで、韓国の反日が実質的に日本に損害を与えることはなかった。
日本に痛みを与える事ができるようになると言うのは、
韓国の成長をもたらした結果であり、ある意味喜ばしい事だ。
しかし、それは日本も本気で韓国への外交姿勢を変換するかもしれない。
第二次世界大戦後というより、
日露戦争後から日本との協調を最も重要な外交姿勢としていた国にとって、
大きな逸脱となる。
李承晩時代の一時的な反日はあるが、
反中反北親米で反日というのは無理がありすぎて、実質的な意味はなかった。

今回の日本観光停止案というのは、建前だけの反日ではなくて実質的な反日と言える。
現在の親中親北の外交姿勢で反日路線に踏み込むのは、
輸入牛肉問題で反米的になっている事を考え合わせると、
西側からの離脱への決定的一歩になるかもしれない。
冒頭で述べたように私の妄想である事を願う。
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