異をとなえん |

「東京駅はこうして誕生した」感想

2008.07.03 Thu

01:11:06

林章著「東京駅はこうして誕生した」を読む。

目次は下記の通り。

はじめに 都市を変えた建物
第1章 東京と鉄道以前
第2章 鉄道がやってくる
第3章 汽笛一声
第4章 帝都の表玄関とパス・スルー
第5章 中央停車場建設
第6章 走り出す東京駅
第7章 疾走する大東京
第8章 大転換と大変容
おわりに 原点へ

これも鉄道関連の本で、
前に書いた「山手線誕生」と同じような本。
「山手線誕生」は山手線の路線ごとに焦点をあてているが、
この本は東京駅に焦点をあてて、東京という都市の発展史を描いている。

東京駅の建設関連の記事とか、震災、空襲などの記事が詳しい。
主張がはっきりしているので読みやすいのだが、
少しまとまりがない。
書いている史実と言わんとしていることの関連性が今一つ見えないのだ。
東京駅こそが東京の象徴であり、
東京駅の完成が近代都市としての東京の幕開けだった。
これは理解できる。

しかし、モニュメントとしての東京駅と東京の発展の関連が見えない。
確かに、東京駅が完成し、山手線が環状になった時から、
東京という都市の発展が新しい段階になったかもしれないが、
だったら東京駅よりも山手線の完成の方が、
大事なのではないだろうか。

また、東京という都市を誉めているが、今一つ説得力に欠けるような気もする。
「日本文明世界最強の秘密」
で東京は凄いと刷りこまれている私は、
納得できても、この本を始めて読んだ人が納得できるかは疑問だ。

でも、ほめ言葉は気にいった。
下記は首飾りという言葉か好きで引用しておく。


山手線は
(略)
神田から東京、有楽町、
新橋一帯にかけての官公庁・ビジネス・商業といった一大中枢を支え、
品川、渋谷、新宿、池袋の新しい副都心をもつないで、
さらに五反田、目黒、原宿、代々木、高田馬場、上野、
秋葉原などなど交通拠点あるいは商業や文化の拠点を数珠つなぎにして、
ハート形をえがき、
さながら世界一あるいは史上最大の豪奢な首飾りに例えることもできる。

(p215)
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