異をとなえん |

「アメリカ大都市の死と生」感想

2008.04.24 Thu

16:24:32

J・ジェイコブズ著「アメリカ大都市の死と生」を読む。
鹿島出版会のSD選書118、訳者黒川紀章、
発行年月日昭和52年3月1日の約270ページの本である。

読んだと書いたけど、実際には斜め読みしたのがいい所で、
実に読みにくい本。
なんというか、ダラダラした感じで私は途中で
飛ばし読みしてしまった。

目次を上げておく。

第一部 都市の特性
1 歩道の用途 ー 安全性
2 歩道の用途 ー 接触
3 歩道の用途 ー 子供の同化作用
4 近隣講演の利用
5 都市近隣住区の用途
第二部 都市の多様性の条件
1 多様性の発展源
2 混用地域の必要性
3 小規模ブロックの必要性
4 古い建築物の必要性
5 集中化の必要性
6 多様性についてのいくつかの神話
第三部 衰化と退化の原因
1 多様性の自己破壊力
2 境界真空地帯の呪い
3 非スラム化とスラム化
4 資金の散発投入と大量投入
第四部 種々の異なる戦術
1 助成金による住宅地
2 都市の腐食と自動車による摩滅
3 視覚的秩序 ー その制限と可能性
4 救出計画
5 政策的な計画地域
6 都市とは何かという問題のありかた

原書は四部構成なのだが、翻訳は一部と二部だけ訳している。
内容は田園都市理論とかコルビジェの高層都市を批判して、
たぶん、この時には新しい都市理論を提案している。
ただ、長ったらしい。
少くとも半分は削れると思う。
内容についても主張する事はわかるのだが、
なぜそうでなくてはいけないかという、理論的説明が弱い。
経済学的ではないから、私は納得できないという意味だ。

第一部はほとんど飛ばしてしまったので、
第二部の都市が多様化し活気あるための条件の部分をまとめておく。

一つはオフィス街とかは、
その用途だけしかないとつまらない街になってしまう。
商店とか娯楽施設も必要だということ。
現在の丸の内の仲通りの再開発の理論的根拠みたいなものだ。

一つはニューヨークのような大きなブロック構造の都市は不便、
ある程度小さく分割する必要があること。

一つは建物は全て新しくある必要はなく、
古い建物も残っていて、
自然に建て替えていかなくてはならないということ。
なぜかという理論的根拠も書いてあるのだが、あまり頭に残らなかった。

一つは人口が集中しなくてはいけないこと。
ただ、人口が集中しててもいけない場合はあって、
そこらへんの話も書いてあるのだが、
筆者も混乱している感じで私にははっきりわからなかった。

条件については活気ある都市はそうなるだろうことは納得できるのだが、
本当に必要な条件なのか、
結果的に満たされているだけなのではないかという疑念もあって、
理論としては納得しがたい。

総評としては、
地域を用途によって完全に分ける都市計画を批判した本として、
価値は持つのだろうけれど、今読む価値はほとんどない。
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