異をとなえん |

農村からの労働者の流出(中国経済の転換点-その4)

2007.09.07 Fri

02:15:03

物価上昇が起きた場合に起こる事として、二番目に挙げられるのは農村からの農民の流出だろう。

物価上昇は本質的に元の切り上げと同じである。生産性の低い部門は競争力がなくなり、淘汰される。物価上昇によって、諸費用は増加する。普通は自分たちの作り出した製品にその諸費用を転嫁しようとするだろう。しかし、国際価格より値段が上がれば、輸入が増えそれ以上値段は上昇しない。その場合、生産性の向上によって値段を維持したままでやっていける所でなくては、生産活動を続ける事ができず淘汰される事になる。

中国で生産性の低い産業と言えば、やはり農業だろう。一人当たりの農地が極端に少なく、資本も少なく、生産性向上の余地が少ない。実際、最近の状況はかなり苦しくなっているようで、暴動などが多発している。

ただ、農家は経営者と労働者が一緒で賃金の上昇はわかりづらい。また、生産できれば暮らしていくことだけはできる。しかし、中国の農家といえども自給自足ではない。肥料は日本並みに大量に使っている。テレビも多くの家にある。物価上昇が発生すれば、これらの費用は上昇する。農作物の値段にこれらを転嫁しようとしても、国際価格より極端には高くできない。できなければ、結果的に一人当たりの収入はさらに低くなる。元々、農家の収入は都市に比べて極端に低い。共産党支配の農村ではわけのわからない税金がたくさんある。地租、農地にかかっている税金を国としては廃止したらしい。しかし、農家にかかっている税金はたいして変わらないのだ。平均的にはなんとかなっていたとしても、不作の時期には持たなくなる。強制的に農村から流出が起こる事になる。

ただ、よく読めない状況として、農作物の世界的な高騰がある。エチルアルコールの生産増強に端を発っした、農作物の世界的な高騰は結果として、中国農業を少し生きのびさせるかもしれない。この場合、中国において生産性が低い部分が犠牲になるわけだが、どこかよくわからない。しかし、生産を放棄した部門が吐き出した労働者によって労働市場の供給が増え、賃金上昇がストップするのだから、この現象が起るだけの労働者を持っている部門、たぶん農業が労働力を吐き出すまで、物価上昇は止まらない。

結局、元々農村からの労働者の流出は出稼ぎ労働として起こっているのだが、これが、暴力的に進んでいくことになる。
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