異をとなえん |

中国の「外貨運用会社」構想

2007.03.30 Fri

17:48:51

[中国][経済]中国の金融政策・次の妙手なるか

中国が外貨準備の運用を下記のような構想で変更する場合の中国内部での金融状況を分析している。


今回の構想は、新たに設立された「外貨運用会社」が長期(恐らく10年もの)の債権を発行して人民銀行から対外資産(その多くは米国債)を買い取り、より高い収益率での運用を目指すものである。


読みながら疑問点がいろいろと頭に浮かんできて、いっこうに焦点を結ばない。外貨準備があまりにも巨大になっている以上、一部の外貨準備の運用を収益重視の方向に変換して、そのために民間会社的なものを作るのはたぶん正しい方向だと思う。しかし、その後の金融政策うんぬんがどうも納得いかない。判断がつかない。

いろいろ考えているうちに最大の違和感の原因は出た。中国がなぜ金融を引締め、インフレを抑えこもうとしているのかが、よくわからないのだ。中国はレートを固定した為替制度の元での発展途上国として、インフレになってなければおかしいはずである。それを何か無理矢理ゆがめようとしている。私の中国経済に対する不信感はこんなところから来ているのだと思う。
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NHKスペシャル 中国関連番組

2007.03.29 Thu

19:10:50

梶ピエールの備忘録。
は中国の経済事情について参考にすべき情報が多いと評価している。そのブログからNHKスペシャルで次の3番組を放送することがわかった。

「激流中国 富人と農民工」
2007年4月1日(日)午後9時〜9時59分

「激流中国 ある雑誌編集部 60日の攻防」
2007年4月2日(月)午後10時〜10時49分

「中朝国境で何が起きているか〜鴨緑江800キロを行く〜」(再放送)
2007年4月21日(土)午後3時5分〜3時54分

NHKスペシャル|激流中国 富人と農民工
はそのまま引用すると次の内容である。


個人資産300億円以上、巨万の富をたった一代で築き上げた会社社
長。改革開放の波に乗って、不動産投資などで成功を収め、今も1
回に何億もの金を株などの投資につぎ込む。富がさらなる富を生み
、笑いが止まらない。かたや日雇い労働で手にする日当はわずか
600円ほどの農民。家族を養うために農村から都会に出てきたもの
の、ようやく見つけることができた仕事は建設現場の厳しい肉体労
働。毎日、自分が暮らしていくのが精一杯で、そこからはい上がる
ことはできない。中国では、今、こうした光景は決して珍しくない
。社会の中で格差が広がり、勝ち組と負け組の差が鮮明になってい
る。中国政府は、今、経済成長を最優先してきた結果、生まれた歪
みの是正を最優先課題に位置づけ、「調和の取れた社会」「みなが
豊かになる社会」建設をスローガンに掲げている。
なぜ格差は拡大し続けるのか、貧しい人々がはい上がるのが困難な
理由は何か。
貧・富それぞれの現場に徹底的に密着し、中国政府が今、最大の課
題とするこの問題に迫る。


中国の経済事情には極めて興味があるのだが、文献をいろいろ読んだりしていても、これほどよくわからないものはない。とりあえず、実感が得られそうという事で要視聴である。

NHKスペシャル|激流中国 ある雑誌編集部 60日の攻防
政府と編集部がせめぎ合っているだけでは面白くもなんともないと思うのだが、それ以外に何があるかを考えて見る事になりそう。
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日本版CIA設立に反対する

2007.03.28 Wed

22:51:48

最近、日本版CIAというような、対外諜報機関を設立しろという意見が出ている。どんなものを作るか今一つ見えてこないのだが、CIAのようなものであれば、反対である。なぜかをここに述べる。

まず、反対するものを明確にしておこう。CIAのようなものとは対外諜報機関を指している。対外諜報機関を定義すると、対象国に対して情報取得等の目的のため非合法でも活動する組織である。元々の諜報機関は仮想敵国を想定し、その国と戦闘状態に入った場合に必要になる情報を各種集めているものだった。今でもイスラエルのモサドなんかはその典型だろう。

一方、アメリカのCIAはかなり特殊な例になると思われる。単に敵国の情報を取得するだけでなく、より積極的に反米政権の打倒、親米派の育成といった任務をこなしている。昔の共産圏でいうと、KGBというよりコミンテルンやコミンフォルムと言った党活動に近い感じだろうか。

では、なぜ対外諜報機関は非合法、秘密の機関なのだろうか。仮想敵国に対して、軍事情報を集めるのはスパイ防止法の例をあげるまでもなく多くの国で非合法である。今の時代だって、最も基本的な軍事情報である地図に規制が、かかっているので、これを調べる事自体が非合法である。非合法で実行している事を公開するわけにはいかないから、秘密の機関となる。

CIAみたいに政治的な活動をするならば、より非合法である。チリ、イラン、韓国などでのクーデターの背後でCIAが活動していた訳で、非合法というより当該政権から見れば完全な敵と断じていい。日本でも、戦後の一時期自民党に秘密資金を供給していた活動などがある。今の時代から見れば、アメリカに不信感を持つのは当然と言っていいだろう。

では、日本はこのような対外諜報機関を持つことができるだろうか。まず、第一に日本は専守防衛の軍事戦略を持っているから、軍事情報の取得の必要性がかなり弱くなる。相手国の地図、地理情報はいらない。攻撃された時の兵器情報などは必要だが、現在科学技術の上で日本に優位が認められている事と、当分攻撃などありえない政治情勢を考えればこれも弱い。例外として、北朝鮮があるがこれについては後に別途記述する。結局、軍事情報取得の必然性が、日本にはかなり薄い。

また、日本の外交政策の点からも対外諜報機関の必然性は弱くなる。日本の外交の基本は日米同盟中心に、国連、アジア重視の外交だが、その上に覆いかぶさるように全方位外交というのがある。全方位外交というのは、どの国とも仲良くしようという、いかにも日本らしい外交である。私は、イデオロギーを重視せず、あまり事を荒立てたくないという日本人の性質にあっていると思う。この全方位外交を取っている時、対外諜報機関を持つとどうなるだろう。非合法に活動していれば、いつかはスパイが摘発されることもあるだろう。その場合、外交上の問題が発生し、親善関係が悪くなる。ギスギスした感じが生まれる。中国みたいな国だと、対日感情悪化でデモなど起こされるかもしれない。日本としては大変な外交になる。

結局、あまり情報を取得するメリットがないのに、デメリットが大きい。日本には対外諜報機関を要らないという結論が出てくる。

ここまで、同意してきてくれた方にも北朝鮮はどうなのか、という意見もあるだろう。拉致被害者を取り返すために必要、外交関係がないのだから外交関係は悪くなりようがない、今までの私の考えだと対北朝鮮諜報機関はあっても別に問題がないように見える。

つまり、日本版CIAを作れば、北朝鮮に拉致された人の居場所がわかるようになると。そんな訳ないだろと、言いたい。CIAがイラクに大量破壊兵器を隠していると報告したのが、結局間違いだったように、簡単には手に入らない情報はあるのである。そして、偶然にもそんな情報を偶々取得したとしよう。何かの役に立つだろうか。週刊誌等で、そんな記事を見かけるが、それだけでは、ほとんど何の役にも立たない。真実だと証明できる情報で、北朝鮮に問詰める事ができて、初めて役に立つと言える。

つまり、北朝鮮に拉致された人の居場所のような情報は、北朝鮮からのタレコミに待つしかない。しかし、それが偽造された情報でない確証を得ることはとても難しいのだ。

それでも、信用性が薄くとも、集めておく必要があると思う人はいるかもしれない。だが、そのような場合は腐敗の問題が生じる。

対外諜報機関は秘密の機関である。しかも、生産物が情報という曖昧模糊としたものである。だから、どうしても腐りやすい。これを防ぐには、得た情報を利用して何らかの行動を起こし、その行動の結果から情報の真偽をある程度、予測できるものでなければならない。CIAなど批判が集中していた時などは、このような状況になっていたと思われる。北朝鮮に対して情報取得活動をする場合には、秘密にするのではなく、できるだけ公開していく必要がある。

最後に、日本版CIAは要らないと述べたが、非合法、秘密の機関は要らないという意味であって、そうでない機関はあってもいいと思われる。たとえば、緊急災害援助用の情報取得機関である。大規模な災害が発生した場合に援助を行なう事が、近ごろとみに多くなっている。現在は場当たり的な支援になってしまう事が多いと思うが、これを事前にできるだけ、計画化しようというのである。事前に起こりうる災害の予測、発生した場合の支援の方法、どのような物資をどのようにして送ればいいのか。地図、地理の情報から、その地域の人事情報まで集める情報は多い。ただ、災害支援の計画と連動しなくてはいけない事から、自ずと定まる所に定まるだろう。こんな事を公開して行なう機関はあってもいいと思う。
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日本のマンガと小説のライセンス料が上がっている

2007.03.27 Tue

23:33:06

CPM/Libre timeline examined; Manga price inflation in Koreaのブログから、日本文化の影響が韓国内で増加している記事の事を知った。

朝鮮日報では同じような内容の社説を英語版日本語版で出しているが、ライセンス料が出ている記事の日本語版が無いみたいだ。

その中の記事では、現在小説のライセンス料が3000万から1億ウォン、マンガのライセンス料が1000万から7000万ウォンとある。1円が8ウォンで換算すると、小説が375万から1250万円、マンガが125万から875万円という事になる。2002年当時は、交渉次第では500万ウォン(62万5千円)ぐらいで契約できたとあるので、約10倍に高騰している。私の感覚では100万円以下は安過ぎるので、まあ現在は適正な価格かなという感じだ。

その中の記事には本当かなというものもあった。韓国の小説の市場規模が2030億ウォン、日本の小説の市場規模が7243億ウォンとある。日本と韓国の小説の市場規模の差が約3倍とは信じられない。もっとあっていいと思う。

最初のブログの引用元ではアメリカ市場でも同じようなライセンス料の上昇を起こっているようだ。日本のマンガ小説ファンとしては、マンガ小説の人気が高まっている事をうれしく思う。
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世界で一番優れた数の表現を持った言語は日本語

2007.03.26 Mon

23:33:53

世界で一番優れた数の表現を持った言語は日本語である。本の一節を引用してみよう。


数のかぞえ方がそれである。
千二百九十七
これは、他の文明語に比し、もっとも簡潔かつ合理的ないい方である。英語では、
one thousand two hundred and ninety seven
であり、andという実は不必要な附加物を入れる。フランス語はもっと面倒くさく、
mille deux cent quatre-vingt-dix-sept
である。いや、もっと簡単な例をあげよう。
十一、十二、十三、十四、
これは、十一、十二、十三、十四をいうのに、もっとも簡潔なそうして合理的ないい方と、やはり思われる。少くとも英語のeleven, twelve, thirteen, fourteen、フランス語のonze, douze, treize, quatorze、ドイツ語のelf, zwolf, dreizehn, vierzehn、よりも、そうである。

ドイツ語のzwolfのoは原文ではウムラウトが付いている。

このように、欧米系の言語は完全な十進法に基いていないために、非常にわかりずらい。フランス語などは十進法と二十進法が混在していて石原慎太郎が「フランス語は数を勘定できない言葉だから、国際語として失格している」と言いたくなる気持ちは日本人としてよくわかる。このように、日本語は世界で一番優れた数の表現を持っているのである。

ここまで読んでくると次のような突っこみが、きっとあるだろう。えっ、それって中国語からパクっただけじゃないのかって。その通りである。私が引用した本も吉川幸次郎先生の「漢文の話」だったりする。

元々の日本語の数の表現はひとつ、ふたつ、から始まって、10がとお、11がとおあまりひとつ、20がはたち、21がはたちあまりひとつ、とかで、はっきり言ってこんなんじゃなくて良かったと心から思う。中国語から数の表現を借用して大正解である。

でも、中国語から借用して世界一と言うのは同一一位であっても恥ずかしいと思う人が多いだろう。ところが、中国語の数の表現は一つ欠陥を抱えているのである。

中国語には億の次の数の単位がない。だから、一兆と言いたい場合は一万億とか言い、一京と言いたい場合は一億億とか言うのである。一垓は言えないみたいである。でも、この単位も中国語由来ではないのかと思う人も居る事だろう。そうなのだが、なんとメートル法のmega(10の6乗)を訳す時に兆を当ててしまい、これが定着してしまったのだ。中国語では億が10の8乗、兆が10の6乗で、億が兆より大きいのである。なんというか言葉もない。ここらへんの詳細については今回の話のほとんどネタ元である無量大数の彼方へ を参考にして欲しい。

結局、大きな数の表現で中国語は日本語より劣っているので、数全体の表現については日本語は中国語より優っている。

しかし、中国語と欧米語より優っていても他に優れた言語があるのではないかと思う人もいるだろう。そこで、今回の話のもう一つのネタ元である世界の言語の数体系を見て欲しい。実際の所今回の話は、高杉親知氏のウェブサイトの内容に日本語一番というのを付けただけなのである。

そこを見ると、各言語の複雑度順位が示されていて簡単なもの程下の方に表示されている。基本的に簡単であればあるほど、優れていると言っていいように思う。そこで日本語より簡単なものは広東語、エスペラント語、トンガ語である。広東語は中国語と大きな数の表現は一致しているだろうから、日本語の方が優れている。トンガ語は簡易になりすぎていて、本当に使える表現なのか疑問である。説明を見るかぎりでは、数というより数字の列として表現しているのだが、一億を現わすのに100000000(いちぜろぜろ…)とか言うのだろうか。よくわからないけど、優れてはいないような気がする。エスペラント語は、余り使われていない言語だからと除外する。本当はよくわからないのだが、このぐらいは許して欲しい。

結論、日本語は世界で一番優れた数の表現を持った言語である。
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中国の鉄鋼産業

2007.03.23 Fri

18:35:52

近年、無茶苦茶に生産が増加して断トツの世界生産一位の中国の鉄鋼業。でも、どんなメーカーが生産を担っているかも、よくわからなくて謎な感じである。下記のリンクはたいした情報が載っているわけでもないが、それでも情報がある事自体がありがたいので記録しておく。

岩永正嗣:中国の鉄鋼生産過剰を懸念−経産省
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核の傘

2007.03.22 Thu

21:00:54

最近、こんな記事を読んだ。

有事「核の傘」どう機能、防衛省が米に概要提示要請へ


 防衛省幹部は「日米共同作戦計画をきちんとするためには、最後は、核をどうするのか、本当に使うのか、いつ使うのか、について、日本側が米側から聞く必要がある」としている。

(2007年3月20日14時33分 読売新聞)



いい事だと思う。核兵器保有論議など言うより地に足が着いた議論が期待できる。ただ、「核の傘」と言った時日本が核攻撃された場合、自動的にアメリカは核による反撃を行なうと考えるのは思考停止のような気がする。

私は北朝鮮の核攻撃に対してアメリカの核による報復攻撃はありえないと思う。

なぜか。核を使わなくても、通常兵力の使用により軍事的な勝利が可能だと思われるからである。北朝鮮には核兵器自体が極めて少ないと見られているし、運搬手段にも制約が極めて多い。アメリカのピンポイントな爆撃によって十分破壊する事が可能である。

軍事的な効率から核の使用が要望されたとしても、通常兵器によってそれほど被害が出る事なく、相手兵力を粉砕できるならば、民間人の大量虐殺の危険性がある核は使用できない。「それほど被害が出る事もなく」は、相手国からの攻撃によって被害が生じず、事故による被害のみの場合を想定している。北朝鮮の場合はそれが成り立つと思う。

なんとなく理不尽な感じもするのだが、北朝鮮はその軍事的弱さによって核攻撃の対象として有効でない。

よって、北朝鮮が核保有国になったのだから、日本も核保有国になるべきだという意見はあまり有効でないと思う。もちろん、通常兵力による北朝鮮攻撃もできない現状を考えると、一気に北朝鮮の攻撃力を破壊し日本の安全を守る核保有も魅力がある。しかし、核による攻撃にかかるためのコスト、もろもろの政治コストも含めたコストは通常兵力の増強にかかるコストを、大幅に上回るだろう。その事を考えると、地道な通常兵力による攻撃力の強化こそが本筋だろう。この議論は北朝鮮への攻撃力を持つならば、まず通常兵力の増強をという話なので、北朝鮮への攻撃はアメリカにゆだねるというならば、それは別の議論になる。

核による抑止理論は真面目に考えると難しい問題がいろいろあって簡単に結論が出せない。しかし、北朝鮮のような弱者の恫喝は核を保有したからと言って防げない。そうすると、核保有よりミサイル防衛システムこそが意味のある対抗手段なのだと思う。
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