異をとなえん |

続:北方四島「面積の二等分案」で妥協すべきか?

2013.03.07 Thu

21:29:19

昨日の記事に補足しておく。
昨日の記事では、ロシアとの平和条約は信頼関係を構築できなければ意味がないと主張した。
しかし、現実主義の立場から信頼などと関係なく、便宜的な関係を構築すべきという意見もあるだろう。
尖閣諸島の問題で日中関係が対立している現在、日露関係が安定していることは重要という観点からだ。
つまり日中の間で戦争が勃発した場合に、ロシアがどちらにつくかは戦争の状況を大いに左右する可能性がある。
尖閣諸島で日本と中国の間で戦闘行為が行われている状態で、ロシアが北方領土を中心として軍事力を集中させれば、それに対応するために日本も侵攻を警戒して軍事力を北方に集める必要性があるかもしれない。
それは必然的に尖閣諸島で戦力不足をもたらし、戦争の敗北を招くだろう。
そうならないための、日露間の外交関係強化という話だ。
長期的な信頼関係は欠如していても、短期的に互いに利益があるならば構わないという発想だ。

けれども、日中の間に戦争行為が起こったとして、ロシアがそれに深く介入しようとするだろうか。
尖閣諸島の問題は戦闘が起こったとしても、短期でかつ尖閣諸島周辺に限定されて実行される可能性が強い。
どちらかが、尖閣諸島を軍事占領して終わる。
その場合、両国の本土の軍事力、経済力は残っている。
ロシアがどちらかに徹底的に味方した場合、戦後に憎しみが集中する。
そして、日本にとって、尖閣諸島より北海道の方が重要だし、中国にとっても、尖閣諸島より中ロ国境の領土の方が重要だ。
どう見ても矢面に立たされるのはロシアであって、火事場泥棒は難しい。
結局、ロシアにとって一番いいのは中立を守ることだろう。

日本とロシアが条約を結べば、日中間で戦争が起こったときにロシアが中国に攻め入るようなことがあるかというとありえない。
日本とロシアが条約を結んでいないと、日中間で戦争がおこったときにロシアが日本に攻め入ることもありえない。
つまり条約を結んでまで日露の関係を安定させる必要性はない。
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北方四島「面積の二等分案」で妥協すべきか?

2013.03.06 Wed

22:07:57

北方領土問題に対して、面積を等分で分割して妥協すべきという案が出ている。
私は反対である。
その理由について説明したい。

そもそも日本とロシアは、なぜ平和条約を結ぶ必要があるのだろうか。
戦争自体は日ソ共同宣言によって終結している。
知らない人もいるかもしれないので補足しておくが、「日ソ共同宣言」は双方の国会によって承認されているので普通の条約と同じである。
だから、問題となっているのは領土の確定だけで、それ以外に日本とロシアの間で解決しなくてはいけない問題はない。
経済関係が進展しないのは、平和条約が締結していないからではない。
トヨタがロシアで自動車の現地生産をしているし、三菱商事、三井物産はサハリンの石油開発に投資をしている。
日本側が領土を返さないロシアに対して不信の念を持っているので経済関係が深まっていない、とは思うが直接的な関係はない。

それでは、なぜ平和条約を結ぶ必要があるのか。
普通に考えれば領土を画定するためである。
互いが自分の領土と思っている部分が違うならば、人々がぶつかり戦争に発展する危険性がある。
尖閣諸島は、その典型だろう。
けれども、北方領土問題では日本は北方領土に主権を行使しようとはしていない。
事実上ロシアが北方領土を実効支配し、日本は文句を言っているだけだ。
軍事力を行使し、実力で排除するつもりもない。
つまり、実質的に日露の領土は画定しているわけだ。
それなのになぜ平和条約を結ぶ必要があるのか。
特にロシア側にとってだ。

ロシアにとって平和条約を結ぶ最大のメリットは、日本が軍事力を持ってロシアに戦争を仕掛ける可能性をなくすことだ。
日本人としては、平和憲法を持っている日本が他国に軍事攻撃を仕掛ける可能性などほとんど考えられないだろう。
けれども他国から見れば、平和憲法だっていつ変更されるかしれたものではない。
日本が軍事力強化に方向を変え、核武装をして核抑止が効かない状況になると、ロシアにとっては困難な状況が発生する。
単純な通常兵器による戦争の場合、ロシアと日本の国力が互角だとしても、極東とヨーロッパロシアとの交通網の弱さを考えると、日本に分がある可能性が高い。

でもこの考えは日本の未来予測が甘すぎるという批判があるかもしれない。
戦後の長い期間、ソ連は日本に対して国力で有利であった。
現在は日本が優位でも、状況は変わりうる。
未来の日本は人口が減少し、国力が大幅に低下し、北方領土の奪還など夢物語になり、北海道に対してロシアが侵攻してくるのを恐れる状況もありえる。
では平和条約を結ぶと、ロシアが日本に侵攻してくる可能性はなくなるだろうか。
日ソ中立条約を無視して日本に侵攻し、そのまま居直っている国にそんなことを期待してもムダだろう。
つまり平和条約を結んでも、日本の国力が弱くなれば、ロシアは平気で日本に侵攻してくると考えておかなくてはならない。
逆に日本は平和条約を結べば、ロシアに対して戦争を仕掛けてでも取り戻すということは考えられない。
そういう意味で不利である。

もちろん、今の日本では条約は守るべきだと思っている人が主流だが、未来は変わるかもしれない。
だから平和条約を結んでもかまわないというのはおかしいだろう。
破ることを前提にした平和条約というのは、馬鹿げている。
基本的にはロシアが信頼できる国だということを信じて結ぶのでなければおかしい。
だから、日ソ中立条約に戻るのだ。
日ソ中立条約に違反したロシアには、日本に対して領土を要求する権利はない。
日本は太平洋戦争をした責任で領土の放棄がせまられた。
その分の主権の放棄をサンフランシスコ平和条約で認めた。
しかし、北方領土は放棄していない。
少なくともアメリカはそれを認めている。
それなのに、ロシアが北方領土を占拠し続けているのは自分たちが勝ったのだから、条約などどうでもいいということだろう。

つまりロシアは平和条約を本当に守る気があるのかといえばない。
そんな国と平和条約など結んでも、しかたがないだろう。

ロシアとの平和条約に意味はないけれども、領土が少しでも取り戻せればいいと考える人もいるかもしれない。
状況が変わっても、日本が北方領土を取り戻せる可能性は少ないからだ。
けれども、それはロシアも同じことだ。
ロシアも当面の間譲歩する必要性はほとんど感じないはずだ。
それなのに、譲歩するのはなんらかの経済的利益との交換を模索しているからだ。
極東地域への日本の投資を要求される可能性が強い。
それが利益だと考えられるかもしれないが、それ自体については平和条約は必要ないのだ。
結局、幾らかの島を幾らかの金で買うのと同じことだろう。
でも、そう考えると北方領土はそれほどの価値ある島なのかと思う。
経済的価値などほとんどないというのが私の考えだ。
だから、わずかながらだがロシアの国力が大幅に減退すると日本が北方領土を取り戻せる可能性があるのに、その可能性をほとんど無価値な島と交換するのは不利だと思う。

まとめると、日露平和条約は互いが信頼できるかどうかの問題である。
ロシアが過去の条約を勝手に破棄してもかまわないと考え続けるならば、わざわざ結ぶ必要性はまったくない。
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続:スパイ防止法の必要性がわからない

2013.02.05 Tue

21:51:56

昨日の産経新聞の続きだが、相変わらず意図不明の記事である。

インテリジェンスなき国(3)人海戦術で諜報 危うい尖閣

引用開始

 関係者によると、李元書記官の所属先とされる中国人民解放軍総参謀部第2部の大佐が、ジャーナリストの肩書で活動。警察もマークしているが、訓練を受けたプロであり、揚げ足を取られる行為をしないため、手出しできないという。
引用終了

「揚げ足を取られる行為をしない」というのは、違法な行為をしていないという意味だったら手出しできないのは当然ではないのか。
いったい何を取り締まりたいのか、まるで意味不明だ。
とにかく外国の諜報機関に所属している人間は入れたくない意図なのだろうか。
しかし、できっこない。
外国から来た人間の本当の所属機関を把握するのは不可能に近い。
では、外国人が日本の政治活動に関与することを認めない意図なのだろうか。
外国人の献金が違法というのが、その一つの例だと思うが、どういう活動を禁じたいのか、まるで見当もつかない。

引用開始

 例えば、日本の大学に留学中の中国人学生を動員し、学内の右翼系学生団体の活動日程などを入手させ、情報を1カ所に集めて分析すれば学生団体の背後にある右翼団体の動向を把握できるという。
引用終了

これのどこが問題なのか。
何を禁止したいのか。
右翼団体の動向に詳しい日本人のジャーナリストに、中国のメディアに載せたいと記事を依頼しても、同じような情報が取れると思うのだが、そういうのも禁止したいのか。
その場合、どう区別しようとするのか。
いったいどういう法律を作りたいのか。

私の考えではスパイ活動というのは、外国でその国の法律に違反して行動することだ。
当然発覚すれば問題になるし、工作活動の元締めが政府に直結することがわかれば、外交問題となるだろう。
だから、違法活動を前提としているスパイは普通そうでない組織とは別立てにする。
アメリカのCIAが諜報員を大使館員に偽装させて活動させるのは、よく小説などで見るが、その場合上司は外務省のラインではなくて、CIAに直結しているのが普通だろう。
中国の違法活動も辞さずに行動させているスパイが日本にいないとは思えないが、ほとんど発覚していないとすれば少数に思える。

引用開始

 関係者は「情報機関に所属するプロのスパイであれば数十人が日本に常駐して活動し、留学生といった周辺者を加えればその規模は千人を超える可能性もある」と指摘する。
引用終了

だから、こういうのは私の感覚だとスパイと思えない。
日本に対して宣伝活動を担当する部署があって、違法ではない活動をする組織はあると思う。
でもそれは外国に対して、影響力を行使したい外交活動の一部ではないだろうか。
それを禁止することはできない。

この記事は中国の危険性をあおるだけあおって、具体的な対応方法がまるでない、いい加減な記事にしか見えない。
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スパイ防止法の必要性がわからない

2013.02.04 Mon

21:50:06

産経新聞に「インテリジェンスなき国」という記事が載っていた。
スパイ防止を喚起する宣伝記事みたいなものだ。
でも、その必要性が全然わからない。

下記の文章など、本当に意味不明である。

引用開始

 「スパイ天国」とも揶揄(やゆ)される状況は、スパイ防止法がないことに起因することはよく知られる。警察幹部は「この法律がないのは、政府が戦後長い間、中国などとの軋轢(あつれき)を避け、優柔不断な弱腰外交を続けてきたからだ」と指摘する。

 そもそもウィーン条約によって「不逮捕特権」が認められている外交官のスパイ活動は、日本の裁判にかけられない。

 このため李元書記官が立件されたのは、外交官の身分を隠して外国人登録証を不正に更新した外国人登録法違反という「別件」。国内の防諜(カウンターインテリジェンス)を担う外事警察は「別件」という「お寒い手段」しか持っていない。今回の事件は、こうした日本の実態を浮き彫りにした。
引用終了

外交官がウィーン条約で逮捕できないから、別件で対応せざるを得ないと嘆いている。
でも、これはどの国も同じだ。
スパイ防止法があろうとなかろうと関係ない。
だとしたら、一体何を訴えているのか。
スパイ防止法ができればスパイ行為をしている外交官も逮捕できて、裁判にかけられるようになると誤解させる記事にしか見えない。

中国の大使館員は日米の離反工作をしていたと、さも犯罪行為のように記事が書いてある。
けれども、外交交渉というのは、味方の国を増やして、敵の国を孤立させる活動だろう。
だから、中国の行動というのは普通の意味での外交活動そのものにしか見えない。
もちろん、その間に金銭の授受など違法な活動があれば別だが、そうでなければ法律的には許容するしかない。

日本国民がぺらぺらと国家の重要機密を漏らすのが問題というのがあるかもしれない。
実際情報を漏らした刑罰がゆるすぎるという批判はかなり昔からあった。
けれども少しずつ厳しくなっている。

読売新聞の記事によると、2000年に修正された。

引用開始

2000年に、自衛隊3等海佐によるロシアへの秘密漏えい事件が発覚し、自衛隊法の防衛秘密を取り扱う者が漏らした場合は「5年以下の懲役」と罰則が重くなりました。日米同盟にかかわるMDA秘密保護法(特別防衛秘密)と刑事特別法(米軍の機密)では、「10年以下の懲役」と規定されています。
引用終了

戦争をしているときなら、軍の作戦情報をもらすのはもっと厳しい刑罰が必要かもしれない。
しかし平和なときなら、このくらいで十分に思える。

刑罰が軽すぎるので違法な情報漏えいが大量に行われているとすれば、逮捕立件は簡単にできるはずだ。
その件数があまりにも多いとなれば、刑罰を重くするという話が出てくる。
でも情報漏えいの罪による逮捕などあまりきかない。
それは有効に機能しているからではないだろうか。

スパイ活動防止法がないから、北朝鮮の拉致事件が起こったなどという意見も聞くが、さらに意味不明である。
拉致事件は誘拐なのだから、情報をつかみさえすれば逮捕するのに、まったく問題はない。
北朝鮮からの工作員侵入だって、入国法違反なのだから対応自体は簡単にできる。
スパイ防止法がなければ捜査自体できないなら話は別なのだが、外事警察による防諜活動は日本で普通に実施されていると聞く。

結局スパイ活動防止法があると、一体何が変わるのか私には普通に疑問のままだ。
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「内向きの日本、日本人は気づいているのか?」へのリンク

2013.01.26 Sat

21:41:19

「内向きの日本、日本人は気づいているのか?」の記事を読んで反対意見を書きたくなる。

ただ、時間がなくなってしまった。
次回書くと約束しておく。

中の記事にもリンクされているけど、下記も同じような話を扱っている。

零下10℃下の門前払い
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中国の尖閣諸島への侵略を国連安保理に提訴する

2013.01.18 Fri

21:40:19

中国の領海侵犯を国連安保理に提訴した方がいいのではないだろうか。
中国の領空侵犯に対して威嚇射撃をすることが、普通に語られている今、戦争にならないために必要なことと感じる。
現在の国際情勢のあり方では、侵略行動が行われた場合、国連に救助を求めるのが一般的なはずだ。
他の国が救援におもむくためにも、侵略行為だと国連の認定があった方がいい。

中国の領海や領空への侵犯はすでに何度も行われており、かつ中国は自国領だと主張している。
日本が尖閣諸島を自国領だと考えれば、これは明らかな侵略行為だろう。
当然防衛活動をすべきだが、戦争になる危険性がある。
戦争を未然に防ぐためにも、国連のお墨付きがあって欲しい。
そのために提訴すべきなのだ。

国際司法裁判所への提訴は中国が拒否されればできない。
(提訴という言葉が正しいかどうかわからなかったけれど、他の言葉も見つからなかった。)
しかし、国連安保理への提訴は拒否できないはずだ。
少なくとも論議自体は始まるだろう。
中国は拒否権を持つのだから、決議は出ない。
それでも国際世論の方向はわかる。
日本の宣伝下手を考えると、日本にとって都合のいい流れになるかどうかわからない。
中国の方が正しいと思う国が多いかもしれない。
その場合はそれでもいい。
日本は国連決定に従う形で引けばいい。

国連に提訴すれば、堂々と尖閣諸島が日本の領土ということも主張できる。
今の状況で単に国際社会に尖閣諸島が日本の領土と主張することは意味がない。
実効支配している領土を自分の物だと主張することは、かえって裏があるのではないかと見なされる。
けれども侵略行為を受けている状況で、国連で論議されていれば主張することは当然だ。
それ自体に意味がある。

尖閣諸島問題は戦後直ちに中国側が自国領だと主張すれば、日本には抵抗するすべがなかった。
それなのに主張しなかったのは、中国が忘れていたからであり、それ自体が中国の固有の領土でない証明だ。
そのとき、持ち出さなかったのに、戦後何十年もたってから主張することこそが世界秩序への挑戦だろう。
そう主張することで、国際世論を味方につけられると信じたい。

日本は国際社会というものを弱肉強食の世界だと考えている。
正義は勝ったものにあると。
けれどもクウェートの例にも見られる通り、国際社会が侵略行為だと認証すれば、侵略国はたぶん負ける。
第二次世界大戦での日本の敗北も、まさに国際世論を無視した結果だった。
そう考えれば、国際社会を味方につける効果は絶大なはずだ。

中国の最近の行動が国際社会の反発を招いていると信じて行動すべきだ。
どういう結末になるかはわからなくとも、日中両国の間で紛争解決を図るより、世界の他の国を巻き込んだ方がいい。
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「2位じゃダメなんでしょうか?」は、なぜ批判されたのか?

2013.01.17 Thu

21:35:04

蓮舫議員の有名な発言「2位じゃダメなんでしょうか?」は、なぜ批判されたのだろうか。
私には共感する部分もあったのだが、ネットでは袋叩きになっている印象がある。
私の答えは発言が政治家のものではなく、評論家のものであったことだ。

蓮舫議員は民主党政権発足時の事業仕分けにたずさわった。
スーパーコンピュータの仕分けをした際には、「世界一になる理由は何があるんでしょうか?2位じゃダメなんでしょうか?」と予算の妥当性について理由を求めた。
そして、次世代スーパーコンピュータ開発の予算を削減した。
その後、ノーベル賞受賞者たちから、科学では一番を目指すのは当然であり、二番ではダメなのというのは愚問だ、と批判されることになった。
ネットにおいても、同じような批判を大量に受けている。

しかし、スーパーコンピュータ開発の妥当性においては幾つかの批判もある。
下記は典型的なものだが、要するにあまりにもコストパフォーマンスが悪くて、「スパコンの名を借りた公共事業」ではないかと言うのだ。
スパコンの戦艦大和「京速計算機」
ただ、事業仕分けの際には蓮舫議員の発言を擁護する意見をネットではほとんど見なかった。
その理由は何だろうか。

一番の理由は発言が政治家のものではなく、評論家のものであったことだ。
蓮舫議員の発言を推測するに、私はこのようなやり取りを期待したのではないかと思う。

官僚:世界一のスーパーコンピュータ開発を目指します。
蓮舫:世界一になる理由は何があるんでしょうか?2位じゃダメなんでしょうか?
官僚:理由は、これこれこうです。
蓮舫:(納得できた)それなら認めましょう。
   (納得できない)そんな理由では国民の同意が得られません。

「蓮舫 2位じゃだめなのか」に書いてあるやり取りを見ると、官僚は全然理由を説明できなかったようだ。

こんな感じだろうか。
官僚:世界一のスーパーコンピュータ開発を目指します。
蓮舫:世界一になる理由は何があるんでしょうか?2位じゃダメなんでしょうか?
官僚:(別のことをぐだぐだ言う。)
蓮舫:理由がなければ削ります。

その結果ネットで批判の渦が巻き起こったわけだ。
でもこうだったら、理由を説明できない官僚が悪いように思う。

官僚の場にいるのがノーベル賞を受賞した科学者たちだったら、理路整然と理由を説明したかもしれない。
そして、激しい議論をして認めるか認めないかは別にして、その議論自体に焦点が当たっていた可能性がある。
しかし、答えることができなくては弱いものいじめに見えてしまう。
つまり、きちんと理由を説明できる官僚を相手にするのでなければ、質問形式によって議論を起こそうとするのは意味をなさないのだ。
理由を説明できなければ予算をつける必要がないというのは正論だが、実際には予算を作成するときに多くの人間がかかわっているので、ある程度の慣性がある。
その慣性を止めるには、自分も力でぶつからなければならない。

最初から、世界一になっても使うユーザーがいなければ作る必要がないと主張すべきだった。
そうすれば、世間から世界一自体に意義を認めないと受け取られることもなかったのではないか。

質問形式で議論をして、当否の判断をしようとするのは評論家の方法だ。
けれども政治家は立場をはっきりしなくてはならない。
後知恵で責任を回避しようとしてはいけない。
旗幟を鮮明にして、どちらかに立つ必要がある。
調停役ではまずいのだ。

私も評論家的立場にたって責任を回避しようとする傾向がある。
いや、政治家ではないのだから、それでもかまわないのだけれど、政治家はそれではいけない。
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